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ANA、成田増強でアジア-北米接続重視 15年度計画

 全日本空輸(ANA/NH)は2015年度の航空輸送事業計画で、成田-クアラルンプール線の直行便開設や成田-ホノルル線の増便など成田路線の増強を進め、羽田空港と合わせて「デュアルハブ戦略」を進める。

 成田-シンガポール線には、現行機材としてはアジア路線に初めてファーストクラスを導入。アジア路線では、北米との乗り継ぎ需要が高い路線でプレミアムエコノミークラスを新設し、アジア-成田-北米の各便でサービスの一貫性を持たせる。

─ 記事の概要 ─
クアラルンプールとヒューストン新設
増便も北米への接続重視
787-9は羽田-ミュンヘンから
国内線は那覇便再編

クアラルンプールとヒューストン新設

787-8で成田-クアラルンプール直行便を開設するANA=13年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新設路線のうち、成田-クアラルンプール線は、2001年12月までバンコク経由で運航していたが、13年ぶりに1日1往復の週7往復で9月1日から再開する。機材はボーイング787-8型機で、座席数はビジネス42席とエコノミー198席の計240席。

 成田を午後5時20分に出発するNH815便は、クアラルンプールに午後11時35分着。成田行きNH816便はクアラルンプールを午前7時に出発し、午後3時に到着する。夕方の成田発の北米線につなげるダイヤで、他社との差別化を図る。

 6月12日に新設する成田-ヒューストン線(1日1往復で毎日運航)は、共同事業(JV)を展開するユナイテッド航空(UAL/UA)とともに旅客拡大を狙う。日本の航空会社でヒューストンに就航するのは、ANAが初めて。

 運航機材はボーイング777-300ER型機で、ファースト8席、ビジネス52席、エコノミー190席の計250席。NH174便は成田を午前11時15分に出発、ヒューストンには午前9時30分に到着する。NH173便はヒューストンを午前11時20分に出発、成田着は翌日午後3時20分。

 ヒューストンからはUALが米国南部やメキシコ、南米などに運航。うち米国内19路線、メキシコ7路線でANAとのコードシェアを実施している。成田とヒューストンで、それぞれ以遠に向かう乗り継ぎ客の獲得を狙う。

 既報の羽田-シドニー線も、発着枠に余裕がある深夜早朝時間帯(午後11時から午前6時まで)で検討している。2015年度中の就航を計画しているが、「機材などが確定していない」(ANA)という。ANAは、成田-シドニー線(往路ブリスベン経由)を1998年6月まで運航。1999年3月の関西-シドニー線(往路ブリスベン経由)運休により、豪州から撤退していた。

増便も北米への接続重視

 増便となる国際線は5路線。このうち1日1往復増えるのは3路線で、