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「思いに寄り添う接客を」 写真特集・ANA空港係員コンテスト本選出場18人

 第7回目となる空港のカウンターでチェックイン業務などを行うグランドスタッフ(GS)の接客技術を評価する「空港カスタマーサービス スキルコンテスト」を、全日本空輸(ANA/NH)は12月4日に開催した。国内とロンドン、上海の計53空港の約4000人から予選出場者を各空港で選出。国内線12人と国際線6人の計18人が本選に出場した。

ANAの「空港カスタマーサービス スキルコンテスト」第7回グランプリに輝いた羽田空港の木村さん=12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

温泉めぐりに向かう乗客は杖をついていた。木村さんはカウンターから出て出迎えた=12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 身だしなみや笑顔、コミュニケーション力などの「印象」と、乗客の事情を配慮した時間や手順で対応できるかの「時間・手順」の2分野について採点が行われた。

 4日の本選では、1人の出場者につき、日本人客と外国人客の2パターンのシナリオを用意した。乗客役はANAで接客教育を行う社員が担当。出張に向かう上司と部下など、さまざまな役柄を熱演し、場を盛り上げた。

 審査の結果、羽田空港国内線担当の木村友紀さん(入社3年目)がグランプリに輝いた。羽田の出場者がグランプリを受賞するのは2013年3月に実施された5回目以来で、首位を奪還した。木村さんは一人で温泉旅行に出掛ける杖をついた年配の乗客や、初めて子供を飛行機に乗せる外国人夫婦を担当。年配の乗客はカウンターから出て出迎え、会話では先輩との予習で得た知識をフル活用した。

 グランプリのほか、準グランプリには羽田空港国内線担当の船津英里子さん(6年目)と成田空港国際線担当の名越千紗さん(4年目)、審査員特別賞に福岡空港の澤部美鈴さん(12年目)、アナウンス部門賞は羽田空港国際線担当の小出裕里絵さん(3年目)が、それぞれ選ばれた。

国内線部門に出場した羽田の(左から)吉村さん、木村さん、船津さん、土産田さん=12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 木村さんは北海道の釧路出身。幼い頃から飛行機好きの父親に連れられ、空港に通っていた。中学生の頃からANAのGSになるのが夢だったという木村さんは、空港で困っている人を見つけたら、自分で駆け寄っていけるこの仕事のほうが、客室乗務員よりも魅力を感じて選んだという。

 普段の接客では、「お客様の思いに寄り添う接客を心がけています。例えば、楽しい気持ちは盛り上げられますが、不幸があって出掛けなければならない方の気持ちを、どうやって和らげられるかを考えています。マイナス(の気持ち)をプラスに変えるのは難しいです」と話す。

 GSを目指す人へは、「いろいろな人に会うことですね。多くの人に会っていると、この人みたいになりたい、という人が見つかり、最初は真似から始めて自分を磨き上げていくことが大事だと思います」とアドバイスする。入ってきて欲しい後輩像を尋ねると、「出来る、出来ないにかかわらず、一生懸命やろうという人ですね」と話し、自ら努力する後輩をサポートしていきたいという。

 表彰式後、本選に出場した18人には、インストラクター・バッジが贈られた。

 本記事では、第7回コンテストの本選出場者を写真で紹介する。

本選出場者に贈られるインストラクター・バッジ=12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

第7回コンテストの本選出場者(敬称略、出場順)
国内線部門
土産田麗華(羽田、3年目)
堀江麻由(伊丹、3年目)
中島麻美(福岡、5年目)
吉村りえ(羽田、6年目)
田口いづみ(福江、9年目)
野原尚子(山口宇部、8年目)
木村友紀(羽田、3年目)
木村尚子(伊丹、7年目)
有馬優華(鹿児島、4年目)
沖田省吾(函館、3年目)
澤部美鈴(福岡、12年目)
船津英里子(羽田、6年目)

国際線部門
名越千紗(成田、4年目)
小出裕里絵(羽田、3年目)
山村茉衣(関西、3年目)
戎心染(上海、2年目)
藤井美希(成田、8年目)
長山七恵(羽田、12年目)

*本選の記事はこちら [1]

グランプリの木村さん(左)、準グランプリの船津さん(中央)と名越さん=12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire