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パンダジェットもさよなら ANAの767特別塗装機、9日にラスト

 機体全体にパンダを描いた、全日本空輸(ANA/NH)の特別塗装機「FLY!パンダ」(登録番号JA606A)が、今年12月9日の北京発成田行きNH906便で運航を終える。海外で整備後は、通常塗装に戻る。

羽田を出発するANAのFLY!パンダ=12月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 パンダジェットとも呼ばれる同機は、ボーイング767-300ER型機の特別塗装機。中国線就航20周年を記念し、2007年7月25日から国際線を中心に運航している。初便は成田発北京行きNH905便だった。

 機体の製造は2002年7月6日で、座席数はビジネスクラス35席とエコノミークラス179席の計214席。エンジンはGE製CF-6-80C2B6Fで、12月5日出発前の飛行時間は2万4202時間27分、フライト数は6607フライトにのぼる。ANAでは通常、再塗装を8年程度で実施しており、パンダジェットとしての運航期間が7年5カ月となったことから、通常塗装に戻すことになった。

 「FLY!パンダ」の名称は、日本の小学生以下の子供から寄せられた、約6000点の応募作品の中から選ばれた。2007年の就航当初は、枕やヘッドレストカバー、エプロン、紙コップ、はし袋、カクテルナプキン、おつまみなどにも、パンダが描かれていた。

成田空港の訓練で使用されたFLY!パンダ=14年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 10月に成田空港で行われた航空機事故を想定した訓練では、ANAが訓練用機材として同機を提供。緊迫した訓練とは対照的なパンダ塗装が印象的だった。

 ANAでは12月9日の運航最終日までに、6日から8便をパンダジェットで運航する。5日はNH869便として羽田からマニラへ向かった。羽田は午前9時40分に出発してD滑走路(05)から同57分に離陸。マニラには午後1時42分に到着し、NH870便として羽田へ戻る。6日は羽田発ホノルル行きNH186便とホノルル発成田行きNH181便、7日は成田発台北行きNH1083便と台北発成田行きNH1084便、8日は成田発上海行きNH0959便と上海発成田行きNH0960便を運航。最終日の9日は、初便と同じ成田発北京行きNH905便を運航後、NH906便で成田へ戻る。

 運航終了後はシンガポールで定例整備と併せて再塗装を実施。通常塗装に戻った後、運航に復帰する。日本へは2015年1月中旬に戻る予定。

 パンダジェットが姿を消すと、ANAの特別塗装機は2011年7月18日就航のポケモンジェット「ピース★ジェット」(777-300、JA754A)と、2013年2月23日就航の創立60周年記念の「ゆめジェット~You&Me~」(767-300、JA8674)の2機のみとなる。

 ANAではブランド管理の観点から、今後は通常塗装に揃えていくという。787-8も、2月6日に引き渡された25機目(JA827A)からは、777や767などと同様に787ロゴのない塗装になっている。

*写真は全20枚。

FLY!パンダ運航スケジュール
12月6日
NH186 羽田(22:35)→ホノルル(10:45)
NH181 ホノルル(12:00)→成田(翌日16:15)

12月7日
NH1083 成田(17:40)→台北桃園(20:55)
NH1084 台北桃園(09:15)→成田(13:10)

12月8日
NH959 成田(14:05)→上海浦東(16:30)
NH960 上海浦東(17:25)→成田(21:00)

12月9日
NH905 成田(10:30)→北京(13:40)
NH906 北京(14:50)→成田(19:15)

9日で運航を終えるANAのFLY!パンダ=12月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

5日早朝、出発を待つANAのFLY!パンダ=12月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パンダの顔が描かれた前部胴体=12月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire