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「まだ実験レベル」のバイオ燃料、その現状は? ANA担当者に聞く

 ボーイングが既存の767型機より燃費が20%向上するとしていた787型機。全日本空輸(ANA)が運航した結果、国際線の運航時に767と比べて21%向上することが実証された。787のローンチカスタマーであるANAが、燃費向上以外にも燃料面で取り組んだ課題があった。バイオ燃料の使用だ。

デリバリーフライトを前にバイオ燃料の給油を受けるANAの787(ボーイング提供)

 ANAは787でのバイオ燃料使用を実用化できるかをボーイングと検証する一環として、4月に行われたデリバリーフライトで使用。787に世界で初めてバイオ燃料を搭載して太平洋横断フライトを行った。機体の燃費の良さとバイオ燃料との相乗効果により、767と比べて二酸化炭素(CO2)を約30%削減できるという(関連記事 [1])。

 2020年度に国際線と国内線を合わせた有償輸送トンキロあたりのCO2総排出量を05年度比で20%削減する目標を掲げているANA。通常の燃料と比べて割高と言われるバイオ燃料への取り組みや現状はどのようなものなのだろうか。ANA総務部CSR推進チームの主席部員・大竹英雄さんに伺った。

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バイオ燃料を使用した経緯を語るANAの大竹主席部員=12年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「08年ごろからバイオ燃料に関する動きが具体化し、ボーイングとも連携してきました」と語る大竹さん。航空業界では09年にIATA(国際航空運送協会)が50年までに