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ボーイング、下水油からバイオ燃料 中国COMACと共同研究

 ボーイングは現地時間10月22日、中国COMAC(中国商用飛機有限責任公司)と共同で、廃油(地溝油)から持続可能なジェット燃料(バイオ燃料)を生産する実証設備を開設したと発表した。年間生産量は18億リットルを見込む。

バイオ燃料生産をCOMACと共同研究するボーイング=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 両社はChina-U.S. Aviation Biofuel Pilot Projectという米中両国の航空燃料の試験プロジェクトを支援。杭州の杭州能源工程技术有限公司(Hangzhou Energy & Engineering Technology Co., Ltd、HEET)が開発した技術で、1日あたり650リットルのバイオ燃料を生産する。プロジェクトでは生産に向けた実現性やコストなどを研究する。

 生産するバイオ燃料は、2011年に承認された植物油や動物性脂肪由来のバイオ燃料の国際規格を満たすもので、同タイプの燃料は1600便以上の商用便に導入されている。バイオ燃料は石油由来の燃料と比較し、炭素排出量を50%から80%削減できる。

 両社は2012年8月、省エネルギーや汚染物質の排出量削減を共同研究する施設「Boeing-COMAC Aviation Energy Conservation and Emissions Reductions Technology Center(ボーイング-COMAC 航空省エネ・排出削減技術センター)」を北京に開設。最初の共同研究課題は持続可能な航空機用バイオ燃料に関するもので、廃食用油の精製について研究している。

 中国国内で出される廃油は「地溝油」「下水油」などと呼ばれている。中国では食用にリサイクルされるケースも多く見られ、死に至ることもあるという。

関連リンク
Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]
COMAC [3]
杭州能源工程技术有限公司 [4]

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