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スターフライヤー、関空初便のA320退役 寄せ書きで別れ惜しむ

 スターフライヤー(SFJ/7G、9206)は9月30日、退役したエアバスA320型機の機内清掃を実施した。

 退役したのは4号機(登録番号JA04MC)で、2007年1月16日製造。SFJが受領したのは同年2月15日で、当初は予備機として北九州発着のチャーター便を種子島や能登、女満別、稚内、大館能代、那覇、台北(松山)へ運航したほか、広島-女満別間のチャーターも実施した。同機はリース会社からのリース導入機で、10月に返却される。

ありがとう!! JA04MCと寄せ書きされたスターフライヤーの4号機=9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 4号機は2007年9月14日にSFJが羽田-関西線を開設した際、初便に使用された。最後の商業運航は今年9月25日の羽田発北九州行き77便。4号機の退役により、座席数が144席の機体はなくなり、2011年に導入された5号機以降の150席仕様機9機に統一された。

 北九州空港に隣接する同社格納庫で行われた最後の機内清掃は、運送客室本部客室部客室業務課の客室訓練チームに所属する、植田有佳アシスタントマネージャーの機内アナウンスでスタート。客室部の男性社員が掃除の仕方をラップ調の「はなむけビート」で説明し、機内の雰囲気が和んだところで各自が担当する場所を清掃した。

 清掃はシートポケットの底など、細部にも及んだ。清掃を終えた後はソフトドリンクで乾杯し、機体に寄せ書きをして別れを惜しんだ。

 植田さんによると、SFJ全社の社員有志による「機内特別清掃」は2012年8月に始まったという。当初は新入社員が入社した際、機体や乗客、仲間を大切にする教育の一環として行っていたが、今年4月からは、社内のチームワークを部署を問わず良くするため、毎月実施するよう改めた。今回は1カ月前に募集し、26人が参加。8月末までの3年7カ月間放映された、前作の機内安全ビデオに出演した忍者役の社員も事務局の一員として参加した。

 4号機について、植田さんは「この機体までが144席仕様だったので、150席になった5号機以降とは機内の雰囲気も違いましたね。ちょっと重厚な感じでした」と評した。

 自ら12席分清掃したSFJの松石禎己社長は「ジーンとくるものがありました。こうしたことの積み重ねが、会社の文化になっていく」と話した。

 4号機は10月8日に、ルフトハンザ・テクニーク社の工場があるブルガリアへ向けて離日する。同社で整備後、2015年からトルコのフリーバード・エアラインズ(FHY/FH)が運航する。

*写真は全33枚。

清掃を終えて記念写真に収まるスターフライヤーの社員と4号機=9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire