エアバス, 機体 — 2014年8月15日 09:26 JST

エアバス、A350 XWBの路線実証飛行に成功

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 エアバスは現地時間8月14日、A350-900の路線実証飛行試験が成功裏に終了したと発表した。3週間かけて世界14都市を飛行し、商業飛行時の運用性を実証した。

路線実証飛行試験を終えてトゥールーズに着陸するA350=14年8月 PHOTO: P.Pigeyre, Master Films/Airbus

路線実証飛行試験のルート(エアバス提供)

 路線実証飛行試験は、7-9月期(第3四半期)に予定している型式証明取得に必要な試験の一つ。A350 XWBは13日に仏トゥールーズに着陸し、試験を終了した。

 飛行試験は、5機ある飛行試験機のうち客室を装備した5機目の試験機(MSN5)で実施。20日間で世界中の14カ所の主要な国際空港へ計約180時間、およそ15万1300キロの距離を予定通りに飛行した。

 同機にはエアバスとEASA(欧州航空安全局)のパイロットが同乗。ドーハからパース、モスクワ、ヘルシンキへの路線では、ローンチカスタマーであるカタール航空(QTR/QR)のパイロットも参加した。

 飛行試験では、海抜1694メートルに位置するヨハネスブルク、タンボ国際空港で高高度の空港での運航性能を実証。ヨハネスブルグからシドニー、オークランドからサンティアゴへの飛行では、超長距離路線や双発機のエンジンが1基停止しても洋上飛行が可能な認証「ETOPS(イートップス)」の飛行性能を確認した。

 今回の路線実証飛行試験は7月24日に開始。1回目の飛行では、トゥールーズからカナダのイカルイト、フランクフルトに向かった。2回目は香港、シンガポール、3回目はヨハネスブルグ、シドニー、オークランド、サンティアゴ、サンパウロ、最後の4回目は、ドーハ、パース、モスクワ、ヘルシンキに飛来した。

 各都市でA350 XWBは予定通りに試験を実施し、通常のメンテナンスや空港での適合性を確認。ヨハネスブルクでの自動着陸試験も成功した。

 A350 XWBファミリーは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。エンジンは英ロールス・ロイス社製トレントXWBを搭載する。

 7月末時点で、世界38社から742機の受注を獲得。日本では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。

路線実証飛行試験を終えてトゥールーズに着陸するA350=14年8月 PHOTO: Alexandre DOUMENJOU, Master Films/Airbus

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