ファーストクラスからエコノミークラスまで、全4クラスが新シートになった日本航空(JAL/JL、9201)の長距離国際線用ボーイング777-300ER型機の新仕様機「SKY SUITE 777(スカイスイート777)」。2012年10月の終わりに改修がスタートし、改修初号機(登録番号JA731J)は2013年1月9日から成田-ロンドン線に就航。今年7月26日には、最後の改修機(JA741J)が就航した。
現在は羽田-ロンドン線、パリ線、成田-ニューヨーク線、ロサンゼルス線、シカゴ線、フランクフルト線、ジャカルタ線の7路線で運航しており、12月1日からは羽田-サンフランシスコ線にも投入する。
スカイスイート777の売りは、フルフラットシートと全席通路アクセス可能になったビジネスクラス「スカイスイート」と、従来よりシートピッチを広げたエコノミークラス「スカイワイダー」。ビジネスクラスについては、本紙でも就航前に企画担当者やデザイナー、寝具担当者のインタビューを掲載したが(関連記事 [1])、エコノミークラスは当初、シートピッチを広げる計画はなかったという。
エコノミークラスシートの技術担当として、メーカーとの折衝や社内調整にあたったJALエンジニアリング 技術部 技術企画室 客室仕様開発グループの片岡達(いたる)さんに開発エピソードを聞いた。
ビジネスだけが目玉だった
スカイスイート777の開発が始まったのは、2011年1月。前年2010年1月19日にJALが経営破たんし、プロジェクトが始まっても社内で注目を集めることはなかったと片岡さんは振り返る。
「スカイスイート777は全クラスを新シートにする計画でしたが、メインはフルフラットになるビジネスクラス。エコノミーのシートピッチは既存の