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バニラエア、大手並みサービス低価格で 冬ダイヤで手荷物なしはより安く

 バニラエア(VNL/JW)は、8月9日から販売を開始する冬ダイヤ(10月26日開始)の運賃を、従来より最大4500円値下げする。手荷物なしの運賃「シンプルバニラ」と20kgまでの手荷物が無料の「コミコミバニラ」の価格差を、従来の2500円差から1500円差に縮める。低価格を求める利用者層と、大手並みのサービスを求める層の両者へ訴求する。

冬ダイヤの運賃を低価格化するバニラエア=13年12月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田-札幌線で最低価格を比較すると、シンプルの場合は夏ダイヤの6500円から4800円に値下げ。コミコミは9000円から6300円に引き下げる。

 コミコミは大手航空会社のように手荷物のほかに座席指定が無料のため、手荷物が必要な場合はシンプルよりも2500円から3000円割安になる。広い席を追加料金なしで指定できる点や、500円で便や日付を変更出来る点、3000円でキャンセルできる点もアピールしている。

 オプション料金や手数料についても見直す。座席指定料は、非常口そばなど足もとの広い「リラックスシート」を夏ダイヤの1200円から1000円に値下げし、通常の席は300円から500円に値上げ。支払時に必要となる支払手数料も、夏ダイヤの200円から400円に値上げする。

 運賃ごとの販売比率は、シンプルが全体の6割を占め、コミコミは1割にとどまる。残りはキャンペーン用運賃「わくわくバニラ」が1割と、旅行代理店経由が2割となっている。

 VNLではコミコミの値ごろ感を打ち出すことで、旅客単価の引き上げを図る。同時に6割を占めるシンプルを値下げすることで、低価格を求める利用者の定着を狙う。一方、4人以上の利用で10%割り引く「みんなで割」は、わくわくのみ対象となった。

 冬ダイヤのシンプルの運賃は、成田-札幌線が4800円から、成田-奄美大島線が5500円から、成田-那覇線が5900円から、成田-ソウル線が4000円から、成田-台北線が7000円から。最低価格の夏ダイヤからの値下げ幅は、札幌線が1700円、奄美大島線が2500円、那覇線が2600円、ソウル線が3500円、台北線が3000円。値下げ幅の最大はコミコミのソウル線で、夏ダイヤの1万円が4500円安い5500円となった。

 7日に都内で開かれた説明会では、成田-香港線と成田-高雄線の新設も発表された。香港は11月から、台湾の高雄へは2015年2月から就航する予定。

*石井知祥社長へのインタビューはこちら [1]

関連リンク
バニラ・エア [2]

「まずは全席完売」バニラエア石井社長インタビュー [1](14年8月11日)
バニラエア、11月から香港、15年2月に高雄就航へ [3](14年8月7日)