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スカイマーク、A380全機キャンセルへ

 スカイマーク(SKY/BC、9204)が発注していたエアバスA380型機について、全6機の発注取り消しでエアバスと合意したと、ブルームバーグが現地時間7月28日に報じた。(エアバスが契約解除を通告。こちら [1]をご覧ください)

スカイマークのA380初号機=14年4月 PHOTO: P. Masclet, Master Films/Airbus

 SKYは2011年2月18日、A380を4機発注。このときオプションだった2機も、同年6月23日に正式発注へ切り替えた。エンジンは同年9月14日、英ロールス・ロイス社のトレント900を選定し、2017年までに全機を受領予定だった。

 A380の1機あたりの価格は、カタログ価格で4億1440万ドル(約421億8600万円)。SKYでは6機の投資予定額について、5月15日発表の決算短信で総額1915億8500万円としている。

 SKYの初号機は今年4月2日に初飛行に成功。10月から11月ごろに受領予定だったが、6月13日にギャレー(厨房設備)やシートの不具合による納入遅れや仕様変更で、予定よりも2.5カ月から6カ月程度ずれ込む見通しだと、西久保愼一社長が明らかにしていた。A380の今後の動向については、7月上旬にも説明するとしていたが、28日時点でA380関連の会見などは開かれていない。

 A380の発注が全数取り消しになると、同社初の国際線定期便となる予定だった成田-ニューヨーク線の計画も頓挫する。

 SKYの2014年3月期通期決算は、純損失が18億4500万円(前期は37億7800万円の純利益)と、2009年3月期以来、5期ぶりに最終赤字に転落。2015年3月期については、9月末の中間決算で黒字転換を想定しており、通期業績見通しは、売上高が1044億4000万円(14年3月期比21.5%増)、営業利益が3億1200万円、経常利益が6億4400万円、純利益が3億5400万円を見込んでいる。

 発注済みのA380を全機キャンセルする場合、違約金が生じる。ブルームバーグは、補償を巡る交渉が行われていると報じている。(エアバスが契約解除を通告。こちら [1]をご覧ください)

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エアバス・ジャパン [4]

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