日本航空(JAL/JL、9201)とスカパーJSAT(9412)は10月29日、衛星データを活用した地域課題の解決と新規事業の創出に向け、業務提携基本契約を締結したと発表した。具体的な取り組みの一つとして、ヒグマなどの野生鳥獣の出没リスクに関係する環境情報を、衛星画像から得られるデータを使って可視化する仕組みを検討している。

業務提携基本契約を締結したJALとスカパーJSAT(両社資料から)
スカパーJSATが持つ衛星データと解析技術に、JALが航空事業で培った安全に関する知見や地域とのネットワークを組み合わせる。衛星画像の解析で得られる植生データなどを活用し、自治体などが地域の状況を事前に把握して対策を立案する際に役立てる。両社はすでに地方自治体や関係機関へのヒアリングを実施しており、地域の実情を踏まえた仕組みの構築と実証計画を進めている。
公表した画面イメージでは、地図上に警戒区域、注意区域、安全区域を色分けし、最近の出没情報や今後の出没リスクなどを表示する構想を示した。開発中のイメージで、実際のデータに基づく表示ではなく、実証場所や開始時期は明らかにしていない。

ヒグマの出没情報や出没リスクを予測するソリューションイメージ(JALとスカパーJSATの資料から)
今回の提携では、社会課題やニーズの調査、衛星データを活用した仕組みの構築、官公庁や自治体、民間企業などと連携した実証、実証結果を踏まえた事業モデルの構築と実装を進める。
スカパーJSATは、光学衛星やSAR(合成開口レーダー)衛星、熱赤外衛星などの地球観測データを活用し、官公庁や民間企業向けにサービスを提供。JALとスカパーJSATは、これまでにも航空機向け衛星通信サービスで協業してきた。今回の提携を通じ、野生鳥獣対策を一つの起点として、防災・減災、森林管理、環境モニタリング、インフラ管理などへの展開も検討するという。
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