シンガポール航空(SIA/SQ)は、機内エンターテイメント(IFE)システム「クリスワールド」の次世代仕様を現地時間10月22日に発表した。4K高解像度タッチスクリーンや立体音響、乗客が持参したBluetooth対応ヘッドフォンとの接続機能などを導入し、一部機材のファーストクラスには32インチの画面を採用する。2027年以降に運航を始める改修済みのエアバスA350-900型機など計41機と、今後導入するボーイング777-9(777X)に搭載する。

機内エンターテインメントシステムをリニューアルし大型モニターを採用するシンガポール航空(同社提供)
—記事の概要—
・A350ULRファーストに32インチ4K画面
・前回の続き再生 座席設定も保存
・StarlinkとA350改修計画
A350ULRファーストに32インチ4K画面
対象となるA350は、長距離路線仕様のA350-900と超長距離仕様のA350-900ULR。改修する41機では客室設備も刷新し、A350-900ULRにはファーストクラスを新設する。新しいクリスワールドの機能は、機種や客室クラスによって異なる。

機内エンターテインメントシステムをリニューアルするシンガポール航空(同社提供)
画面サイズは、A350-900ULRのファーストクラスが32インチ、ビジネスクラスが22インチで、いずれも4K有機ELタッチスクリーンを採用する。長距離仕様のA350-900はビジネスクラスに22インチの4K有機EL画面を搭載。777-9はファーストクラスが32インチ、ビジネスクラスが20インチ、プレミアムエコノミークラスが最大16インチ、エコノミークラスが最大13インチとなる。777-9では全クラスに4Kタッチスクリーンを採用し、プレミアムエコノミーとエコノミーの一部機材には有機EL画面も導入する。
音響面では、立体的な音の広がりを表現する空間オーディオを全クラスに導入。ファーストクラスでは、アクティブノイズキャンセリング機能を備えたBang & Olufsen(バング&オルフセン)製のBluetoothワイヤレスヘッドフォンを提供する。ビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスもノイズキャンセリング対応とし、エコノミークラスには有線イヤホンを用意する。持参したBluetooth対応ヘッドフォンの接続は、777-9では全クラス、改修A350-900ではビジネスクラス、A350-900ULRではファーストとビジネスの両クラスで利用できる。

Bang & Olufsen製Bluetoothワイヤレスヘッドフォンを用意するシンガポール航空(同社提供)
前回の続き再生 座席設定も保存
操作画面も刷新し、メニューやアイコンを見やすくするとともに、作品の検索・絞り込み機能を強化する。映画などを小さなウィンドウで再生しながら別の作品を探せる「ミニプレイヤー」や、目的地までの残り時間、天候などを表示するサイドバーを設ける。子供向けの「キッズモード」も用意する。映画、テレビ番組、音楽、ポッドキャストなど2500を超える選択肢をそろえ、毎月更新。BBC NewsやSport 24のライブ放送にも対応する。

機内エンターテインメントシステムをリニューアルするシンガポール航空(同社提供)
会員プログラム「クリスフライヤー」のアカウントでログインすると、前回のフライトで途中まで見た番組を続きから再生できるほか、好みに応じた作品の推薦や、お気に入り作品の保存が可能になる。シンガポール発のシンガポール航空便に乗り継ぐ場合は、搭乗口やターミナルの情報も確認できる。改修対象のA350と777-9のファースト、ビジネス両クラスでは、食事や休息、睡眠時に好む座席位置を保存して次回以降のフライトに反映でき、ファーストクラスでは照明の設定も保存できる。
新機能の「ウェルネスプランナー」では、睡眠や瞑想用の音源、呼吸法、座席でできるストレッチの動画などを提供する。ファーストとビジネスの両クラスでは休息に適した座席位置や照明設定を提案し、全クラスでおすすめの飲み物を案内する。
StarlinkとA350改修計画
41機のA350を対象とした客室改修とクリスワールドの次世代化は、2024年11月に発表済み。当時はA350-900長距離仕様機34機とA350-900ULRの7機を対象に、改修初号機の就航をそれぞれ2026年第2四半期と2027年第1四半期に予定していた。今回の発表では、改修済みA350の運航を2027年以降、順次開始すると説明している。

機内エンターテインメントシステムをリニューアルするシンガポール航空(同社提供)
一方、今年5月に発表した機内インターネット接続の計画では、米SpaceXの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を2027年初頭から順次導入する。対象は総2階建ての超大型機A380のほか、A350-900長距離仕様機とA350-900ULR。低軌道衛星を利用し、乗客が持参した端末で動画のストリーミングやSNS、ゲームなどを利用できるようにする。5月の発表では、2029年末までに対象機への導入を完了する予定としていた。
Starlink搭載機でも、スイート、ファースト、ビジネスの各クラスの乗客と、PPSクラブ会員、プレミアムエコノミー・エコノミークラスに搭乗するクリスフライヤー会員には、既存の容量無制限の無料Wi-Fiを継続する。また、A350改修機と777-9にはUSB Type-C端子を設け、ファーストとビジネスの両クラスではワイヤレス充電パッドなども用意する。
シンガポール航空は、機内食や飲み物、アメニティ、地上サービスなども見直しており、11月にはシンガポールで新しい客室設備などの発表を予定している。
関連リンク
シンガポール航空 [1]
・シンガポール航空、ビジネスクラスにパジャマ初採用 11月にアメニティ全クラス刷新 [2](26年10月15日)
・シンガポール航空、全クラスで機内食100種超 仏クリストフル食器も [3](26年9月29日)
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