米海軍は現地時間10月16日、次期戦略通信機E-130J「フェニックスII」のベースとなるC-130J-30「スーパー・ハーキュリーズ」の改修対象初号機を、15日に受領したと発表した。ロッキード・マーチン(LM)が製造した機体で、今後任務システムを組み込み、E-130Jへ改修する。現行の通信中継・空中指揮機E-6B「マーキュリー」が担う核戦力関連の通信任務「TACAMO」を引き継ぐ計画となる。

米海軍の次期戦略通信機E-130J「フェニックスII」のベースとなるC-130J-30「スーパー・ハーキュリーズ」の初号機(同軍提供)
受領式は、米ジョージア州マリエッタにあるLMの製造施設で15日に開かれた。今回の機体は、米海軍が2024年9月に初期調達した3機のうちの1機で、E-130J計画向けC-130J-30の初号機となる。LMも16日に納入を発表した。
TACAMOは「Take Charge and Move Out」の略で、米国の国家指導部と弾道ミサイル潜水艦部隊などを結び、核戦力の指揮・統制を支える通信任務。現在はボーイング707-320型機を母機とするE-6Bが担っており、E-130Jはこの任務を引き継ぐ。E-6BはTACAMOに加え、空中戦略指揮任務にも対応している。

米海軍のE-6Bマーキュリー=PHOTO: U.S. Air Force, Staff Sgt. Jacob Skovo
今回受領したC-130J-30は、今後ノースロップ・グラマンに移され、E-130J向けの任務システムを統合する。同社が主契約者として改修を主導し、コリンズ・エアロスペースが超長波(VLF)通信システムを供給する。米海軍は2024年12月に、ノースロップ・グラマンに任務システム統合を約34億6000万ドルで発注しており、契約には開発用3機と追加のオプションが含まれる。
今後は任務システムの改修・統合を進め、地上試験や開発飛行試験を経て運用開始を目指す。将来の運用・整備は、米オクラホマ州ティンカー空軍基地を拠点とする第1戦略通信航空団(SCW-1)が担当する予定。今回受領した機体はE-130Jとしての改修を終えていない。
C-130J-30は、C-130Jの胴体を約4.6メートル延長した派生型で、4基のエンジンを備える。LMは長時間の飛行や搭載能力などをTACAMO任務に適した特徴として挙げている。C-130J系列は、空中投下や捜索救難、消防、患者輸送、特殊作戦など20種類の任務に対応し、世界で570機超が運用されているという。
米海軍のTACAMO任務には、かつてC-130系列のEC-130Qが使われていた。LMによると、同機は1963年から1993年まで約30年間にわたり任務に従事した。その後はE-6系列が引き継いでおり、E-130Jでは再びC-130系列をベースとする機体が使われることになる。「フェニックスII」の名称は、再生を象徴する伝説の不死鳥にちなみ、過去にEC-130QがTACAMO任務を担った歴史も反映している。
関連リンク
U.S. Navy [1]
Lockheed Martin [2]
E-6B
・米海軍E-6B、ノースロップ・グラマンが近代化改修 [3](22年3月5日)
C-130J
豪空軍、C-130J新訓練装置導入 29年から [4](26年2月22日)
・メキシコ空軍、C-130J-30初受領 中南米初 [5](26年1月23日)
・C-130、初飛行から70周年 通算2700機超える [6](24年8月24日)
・インドネシア空軍、C-130J-30初受領 [7](23年2月23日)