ロッキード・マーチン(LM)は、フィリピン国防省と、同国空軍が運用するLM傘下のシコルスキー製S-70i「ブラックホーク」ヘリコプター向け訓練装置の納入契約を結んだと現地時間10月8日に発表した。パイロット向けフルフライトシミュレーター(FFS)や整備員向け仮想整備訓練装置(VMT)などを提供し、フィリピン国内での訓練体制整備を支援する。

S-70のVMT(ロッキード・マーチン提供)
契約は直接商業販売(DCS)方式で、FFSとVMTに加え、関連教材、2032年までの維持支援と予備部品供給を含む。LMにとってS-70i向け訓練装置の初受注となる。契約額や納入時期、設置場所は明らかにしていない。
フィリピン空軍は自国内の訓練体制が整うまで、米国にあるシコルスキー・トレーニング・アカデミーでブラックホークのパイロット訓練を続ける。フィリピンでは国内の島々でブラックホークを捜索救難、人道支援、消火活動、兵員輸送などに使用しており、空軍はS-70iの保有機数を増やしている。

S-70のFTD(ロッキード・マーチン提供)
FFSは、実機をデジタル空間で再現する「デジタルツイン」を活用する。S-70iを操縦した際の視界や感覚を再現し、パイロットが実機の飛行環境を模した訓練を受けられるようにする。
VMTは、油圧系統やアビオニクス(航空電子機器)など、機体の各系統を物理法則に基づく高精度なデジタルモデルで再現する。LMによると、整備員は没入型の仮想環境で、危険を伴わずに整備作業の訓練ができるという。
LMはブラックホーク向け訓練装置群の技術として、機体の運用飛行プログラムに関する「デジタルスレッド」も活用している。機体の近代化に合わせ、高精度なシミュレーションを数年ではなく数日で作成できると説明している。
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Lockheed Martin [1]
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