旅行や出張で荷物をまとめる時、意外とかさばるのが着替えだ。「この着替えさえなければ、お土産が入るのに」といった経験をした人も多いのではないか。羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)は、衣類を約1分で「手のひらサイズ」に自動圧縮するサービス「Pocket Tips(ポケットチップス)」の空港への本格導入に向け、開発元のSJOY(東京・江東区)と共同開発を始める。衣類の大きさによっては最大で元の7分の1まで小さくできるといい、2027年以降の本格導入を目指す。

衣類を自動圧縮する「Pocket Tips」による変化(日本空港ビルの資料から)

那覇空港で実証実験を行った衣類を自動圧縮する「Pocket Tips」(日本空港ビル提供)
Pocket Tipsは、洋服などの衣類を専用の自動圧縮機に入れるだけで利用できる。衣類そのものを自動で圧縮するため不要なゴミを出さず、スーツケース内に新たな収納スペースを確保できるという。
SJOYは、2025年9月から今年1月にかけ、羽田、成田、熊本、那覇の4空港で実証実験を実施。アンケート回答者約400人のうち、約7割が荷物の収納スペース不足を理由に土産の追加購入を断念した経験があると回答した。羽田での実証では、利用者から利便性に関する評価や改善に向けた意見が得られた。
航空各社では、4月1日から機内持ち込み手荷物について、各社が加盟する定期航空協会(定航協)が策定した新たなガイドラインを適用している。乗客自身で頭上の棚に収納できる大きさ・重さの手荷物を持ち込むよう求めるなど、手荷物の取り扱いを円滑にし、安全性向上や定時運航につなげる狙いがある。空ビルは、こうした機内持ち込み手荷物のルールへの対応も、Pocket Tipsの導入を検討する背景に挙げている。
今回の共同開発では、羽田での実証で得た課題を改善するほか、空ビルの研究開発拠点「terminal.0 HANEDA(ターミナルゼロ ハネダ)」に参画する熊本、那覇の両空港と、成田空港とも連携する。成田の利用特性や利用者ニーズを踏まえたサービス設計を進めるほか、設置場所や運用方法、安全面なども検討し、本格導入に向けた検証を進める。
2027年以降の本格導入を目指しているが、具体的な導入時期や設置台数、料金は現時点で未定。将来は宿泊施設やアパレル分野など、空港以外での利用も視野に入れている。
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル [3])
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