日本航空(JAL/JL、9201)グループは7月23日、空港で働くスタッフの暑さ対策を羽田空港で報道関係者に公開した。整備はポロシャツ制服をトライアル導入し、通気性と動作性を向上させた。このほか、貨物上屋には大型ファン導入。蒸し風呂状態の庫内環境を劇的に改善した。また、グランドハンドリング(グラハン、地上作業)スタッフは昨年導入した冷却機能を備えたベストを着用し、酷暑から従業員を守る。

羽田空港で酷暑対策を公開したJALグループの(左から)整備、グラハン、貨物上屋のスタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
—記事の概要—
・整備:高通気素材のポロシャツ
・貨物上屋:直径7mのシーリングファン
・グラハン:ペルチェ素子付きファンでベスト内に冷気
整備:高通気素材のポロシャツ
整備部門のスタッフは、グラハンが着用する冷却ベストのほか、ポロシャツを試験導入。「高通気素材」を選定し、炎天下でも衣服内に熱がこもらないようにした。従来はつなぎを着用しており、速乾性に優れ通気度を向上させた。生地の伸縮率も改善し、動作性を向上させた。また、肌面を凹凸に加工することで、大量に発汗したときにも生地が肌に張り付かないようにした。

酷暑対策としてポロシャツを着用するJALグループの整備スタッフ(左)と従来のつなぎを着用する整備スタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
ポロシャツは7月から国内空港でトライアル導入。現場で着用した整備士の意見を取り入れて改善し、本格導入を目指すという。
着用した整備士によると、従来のつなぎは汗が染み込んだままとした上で「ポロシャツは速乾性が高く、休憩中もすぐに乾くので非常に快適」だという。

ポロシャツを着用し整備作業にあたるJALグループの整備スタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ポロシャツを着用し整備作業にあたるJALグループの整備スタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
貨物上屋:直径7mのシーリングファン
貨物上屋には大型のシーリングファンを導入。羽田空港に3つある貨物上屋のうち、機内へ搭載するコンテナなどを取り扱う東西の貨物上屋1カ所ずつに導入した。シーリングファンは直径約7メートルで、4枚の羽根が低回転で風を循環させる。1基で約2000平方メートルをカバーし、扇風機50台分が必要な広さをシーリングファン1基でまかなう。

大型のシーリングファンを2基導入した羽田空港にあるJALの貨物上屋「西貨物」=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
総面積3240平方メートルの西貨物には2基、2400平方メートルの東貨物には1基導入。郵便物を取り扱う貨物上屋は天井が低く、風で郵便物が飛ぶ危険性があることから、導入には至っていない。
貨物上屋内は風通しが悪く、熱がこもりやすい。また一般的な物流倉庫とは異なり、シャッターの開放時間が長く、スポットクーラーやファンベストの導入では作業エリア全体の改善には至らないという。
スタッフはシーリングファン導入後、湿度が飛んで風が当たるようになり、汗の量が減ったと実感。風の循環により楽になったという。

大型のシーリングファンを2基導入した羽田空港にあるJALの貨物上屋「西貨物」で作業するグラハンスタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港にあるJALの貨物上屋「西貨物」に導入した大型のシーリングファン=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港にあるJALの貨物上屋「西貨物」に導入した大型のシーリングファンの操作パネル=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
グラハン:ペルチェ素子付きファンでベスト内に冷気
グラハンスタッフは昨年に引き続き、冷却装置を備えた安全ベストを着用する。ベスト内にはファンを2つ、バッテリーを1つ備え、保冷剤を入れるポケットを両脇と背中に計3つ付けた。ファンにはマイナス40度まで冷却できる半導体「ペルチェ素子」を備え、冷たい空気がベスト内を流れるようにした。また、襟元にアタッチメントを付けることで、冷たい空気が後頭部にも流れるようにした。

酷暑対策として冷却ベストを着用するJALグループのグラハンスタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
対象は国内51空港のグラハンスタッフで、希望者が着用する。約6000人いるグラハンスタッフのうち、今年は8割にあたる4664人が希望した。また、広州と大連、ロサンゼルス、ドーハの海外4空港でも展開する。
冷却ベストのバッテリーは冷却の強さにより持続時間が変わり、最低で4時間、最高で9時間持つ。昨年はバッテリーのコネクターが抜けやすかったが、今年は抜けにくいように改善した。
◇
このほか羽田空港では、グラハン業務を担うJALグランドサービス(JGS)のグラハンスタッフ向けの暑さ対策も充実させている。オフィス内ではかき氷を提供し、炎天下で働くスタッフをサポートする。

冷却ベストを着用し作業するJALグループのグラハンスタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

冷却ベストを着用し作業するJALグループのグラハンスタッフ=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALグループのグラハンスタッフが着用する冷却ベスト=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALグループの冷却ベストに備える「ペルチェ素子」付きファン=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

暑さ対策で提供するかき氷=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

気温37度、湿度47%だった羽田空港の駐機場=26年7月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
関連リンク
日本航空 [1]
JALグランドサービス [2]
JALエンジニアリング [3]
・JAL、冷却ベストでグラハン酷暑対策 地上係員は開襟シャツで通気性 [4](25年8月4日)
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