日本航空(JAL/JL、9201)は6月30日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の空飛ぶクルマとドローン関連事業で、管理職層が研究員に予定従事時間を割り振り、実態と異なる従事時間や内容を記した日誌を作成させていたと発表した。JALは、実態と異なる従事日誌の作成は組織的に行われ、管理職層には不適切な受給との認識があったと判断。受給済みの労務費3億2123万円のうち、2億8521万円を返還する方針を示した。

NEDOに2.8億円返還するJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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・2.8億円返還へ
・「ものを言いづらい組織風土」
2.8億円返還へ
対象は、エアモビリティ創造部が2021年度から2025年度に参画した空飛ぶクルマとドローン関連の委託・補助事業。JALは、客観的な資料で裏付けられ、NEDOが認定した業務範囲に含まれる労務費3602万円を再申請し、差額を返還する。最終的な返還額は、NEDOによる再確定検査を経て決まり、遅延損害金や加算金も支払うとしている。
JALによると、同部では、年間予算を100%執行する必要があり、達成できなければ今後のNEDOとの関係に影響すると誤って認識していた。事業を継続するには計画通りに予算を執行する必要があると受け止め、管理職層が予算や実行計画を基に研究員ごとの予定従事時間を割り振っていた。
例えば、2025年9月に開いた従事日誌の書き方説明会では、研究員ごとに割り振った月間予定時間に合わせ、用意した従事内容の記載例を日誌へ転記するよう説明していた。一部の研究員から疑問が出たものの是正されず、実際の従事時間や内容にかかわらず、予定時間に合わせた日誌を提出していた事例があった。
「ものを言いづらい組織風土」
JALは、強権的なトップダウンによる抑圧的な管理体制や、疑問を提起しても是正されにくい「ものを言いづらい組織風土」が問題の真因だったと分析。管理職層が計画通りの予算執行を強く求め、部内で自浄作用が働かない状態に陥っていたとした。社内とNEDOによる定期的な検査でも発見できなかったという。
JALは継続中のNEDO事業の辞退を申し出たほか、エアモビリティ創造部の管理職層への人事措置と組織改正を実施した。今後は、業務の開始・終了時刻を記録し、過去にさかのぼった入力をできなくするシステムを導入する。日次と月次で複数の管理者が従事日誌を確認し、監査部門による抜き打ち監査も実施する。
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