岡山理科大学を運営する学校法人加計学園(岡山市)は、高周波による鳥獣害抑止装置「バードソニック」を成田空港に設置した。カラスやヒバリ、トビなどによるバードストライクの発生を抑制する。バードソニックの設置は国内10空港目となった。

岡山理科大らが成田空港に導入した「バードソニック」(加計学園提供)
バードソニックは、自動車用品などを手掛けるT.M.WORKS(山梨・南都留郡)が開発し、岡山理科大研究・社会連携機構の辻維周(つじ・まさちか)特担教授が効果検証を進めている。システム1基につき方向を替えたスピーカーセットを4つずつ取り付け、各スピーカーの中心から上下左右50度方向に音が広がる仕組み。音の照射距離は無風状態でで約300メートル。さまざまな周波数パターンでの発射も可能で、“音慣れ”にも対応する。
成田への導入は5月19日で、B滑走路(RWY16L/34R)の北側に8基並べて設置。緑地帯に単管パイプを打ち込み、バードソニックと高周波を出すスピーカー、太陽電池パネル、バッテリーなどを取り付けた。辻特担教授によると、成田への導入によりバードストライクの発生が最終的には8割以上減るのを期待しているという。
バードソニックは島根県の萩・石見空港に初導入。2023年3月から検証しており、カラスなど滑走路に近づく鳥を追い払う効果が確認された。このほか、関西や伊丹、神戸、中部など各空港でも導入し、検証を進めている。
国土交通省のまとめによると、2020年から2024年の間に成田空港で発生した鳥衝突件数は200件。期間中の鳥衝突率は、離着陸1万回あたり2.33となった。2024年の成田を含む2024年の空港全体の鳥衝突と航空機損傷件数は、最も衝突件数が多いのは前胴が574件(うち損傷15件)で最も多く、主翼356件(同19件)、エンジン・プロペラ330件(同28件)などが続く。
バードストライクは大事故を招くケースもあり、2024年12月に韓国の務安(ムアン)空港で発生したチェジュ航空(JJA/7C)機の事故は、バードストライクが原因とされている。

岡山理科大らが成田空港に導入した「バードソニック」(加計学園提供)
関連リンク
岡山理科大学 [1]
T.M.WORKS [2]
成田国際空港 [3]
バードソニック
・関西3空港、高周波でバードストライク対策 関空・伊丹・神戸で「バードソニック」検証 [4](24年3月4日)
・萩・石見空港、高周波「鳥ソニック」でバードストライク対策検証 [5](23年4月6日)
チェジュ航空事故
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