北九州空港に本社を置くスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が、3月16日で就航20周年を迎えた。就航前に入社し、北九州発羽田行き初便に乗務した客室乗務員のひとり、有永(旧姓目野)美也子さんは現在、客室乗務員の乗務などに関する規程づくりを担当しながら、客室乗務員としての乗務やインストラクターとして後進の指導にもあたっている。就航から20年を「最初の10年より、この10年のほうが変化が大きかったです」と振り返る。

「最初の10年より、この10年のほうが変化が大きかったです」と話すスターフライヤーの有永美也子さん=26年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
20周年の前日15日に、スターフライヤーは北九州空港の格納庫で、利用者や地域住民を対象に記念イベント「STARFLYER 20th Anniversary THANKS PARTY」を開いた。格納庫を訪れると、就航当初から機内で提供しているタリーズのホットコーヒーも用意され、有永さんは訪れた人たちに振る舞っていた。
有永さんは客室乗務員の経験者として、就航前の2005年にスターフライヤーへ入社。移転による新空港の開港と同時に就航する新しい航空会社で、就航前の広報活動やイベントにも携わった。20年前の2006年3月16日の就航当日は、北九州空港の開港式典に出席後、羽田へ向かう初便7G72便に客室乗務員6人のひとりとして乗務した。通常、当時の客室仕様では3人の客室乗務員が乗務していたが、初便は2倍の編成となった。
就航後最初の10年の中では、地上勤務も経験。機内エンターテインメントシステム(IFE)の導入プロジェクトに関わり、メーカーや関連企業と調整を進めながら、客室乗務員が実際に使う操作や運用方法の検討にも携わった。客室の現場だけでは見えなかった航空会社の仕事の広がりを知った時期でもあったという。

品川プリンスホテルで事業説明会を開いたスターフライヤーの堀高明社長(中央、当時)と、初公開された制服を身にまとった有永さん(右)=06年1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA

就航2カ月前に羽田空港でお披露目されたスターフライヤーのA320初号機の機内に立つ有永さん=06年1月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA

就航10周年で取材した際の有永さん=16年12月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
こうした経験を経て、2016年からの10年間は、仕事の見え方が大きく変わったという。現在は2度目の地上勤務となる客室業務課で、客室乗務員の乗務などに関する規程づくりを担当している。
そして、客室の責任者である先任客室乗務員や、インストラクターとしての乗務もある。「最初の10年は、とにかく走り続けていた感じでした」という有永さんは、次の10年は会社全体を見る視点が少しずつ広がってきたと振り返る。
就航から20年も過ぎると、客室乗務員だけでなく、そのほかの職種でも当時を知る社員が少なくなってくる。2016年からの10年間を振り返ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で会社も大きな打撃を受け、「この10年のほうが変化が大きかった」と話す。「とにかく走り続けた」最初の10年間と比べ、客室乗務員としての仕事以外も経験したことは大きかった。「娘くらいの年齢」と表現する若手の客室乗務員たちに、さまざまなことを経験し、会社の良さを継承していって欲しいという。
スターフライヤーは2006年3月16日、1路線目の北九州-羽田線の運航を開始。黒を基調とした機体デザインや、タリーズコーヒーを提供する機内サービスなどで独自のブランドを築いてきた。初便に乗務した有永さんは、20年後のいまも空の現場に立ちながら、次の世代へ経験を伝えている。
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有永さんがタリーズのコーヒーを来場者に振る舞った就航20周年記念イベント。ハイライトは格納庫の大扉を開き、羽田へ向かう7G82便の見送りだった。この日の運航機材はエアバスA320型機の12号機(登録記号JA22MC)。奇しくも有永さんがIFEの開発に携わった機材だった。

北九州空港の格納庫で開かれたスターフライヤーの就航20周年記念イベントで出発便羽田行き7G82便を見送る来場者。機材は有永さんがIFE開発に携わった12号機JA22MCだった=26年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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