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ANA、747-400卒業フライト 写真特集・福島編

 3月31日で全機が退役する全日本空輸(ANA)のボーイング747-400D型機。先週15日には仙台と福島で復興支援フライトを実施した。3月に卒業する宮城県と福島県在住の小学6年生らを招待し、「ボーイング747-400卒業フライト」として遊覧飛行が行われ、両空港には「ジャンボ」の愛称で親しまれた747を一目見ようと、多くの人が詰めかけた。

会場を訪れた子供に制帽をかぶせる藤村機長=3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福島空港のスタッフがモップで描いたメッセージと遊覧飛行に出発する747=3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 卒業フライトの機体は、最後に退役する登録番号JA8961を使用。当初使用予定だったJA8960は、羽田で留守番となった。仙台での遊覧飛行後、フェリーフライト(回送)で福島へ到着した同機は仙台と同様、低空飛行で福島空港を通過(ローパス)し、午後1時52分に到着した。

 遊覧飛行は富士山までのルートで、抽選で選ばれた福島県内の小学6年生60組180人ら乗客359人が搭乗。午後3時40分にNH2053便として福島を出発し、午後5時20分に福島へ戻った。駐機場には空港のスタッフらが水を浸したモップで文字を描き、卒業フライトを祝した。

 遊覧飛行へ出発前には機体見学会が開かれ、仙台から福島までのフェリーフライトを担当した西野享機長(PIC、左席)と藤村弘機長が、会場へ集まった人たちに挨拶。B747-400部長の藤村機長は「次のステージで、さらに上を向いて成長していただきたい。そのお手伝いが少しでもできれば」と子供たちを元気づける挨拶をし、集まった子供らに制帽をかぶせてあげていた。

 西野機長は「福島をローパスして着陸する際、気流が悪かった。こうした状況でも安心感と安定感がある飛行機であり、そこに人間が介在できる飛行機だった」と747を評した。ローパス時は藤村機長も「安定しているなぁ。さすがジャンボだな」とつぶやいたという。

 福島の卒業フライトは、高柳英治機長(PIC、左席)と高橋延彰機長が担当。高柳機長は福島空港へ戻ると、コックピットの非常口から顔を出し、空港に集まった人たちに手を振って応えていた。

 成田へのフェリーフライトNH9024便は左右の席を交代し、高橋機長がPICを務めた。同機は成田へ回送後、翌16日は熊本空港への最後のチャーター便に使用された。

* 仙台編はこちら [1]