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ボーイング、セントレアに787の部位保管施設 ドリームリフター・オペレーションズ・センター稼働

 ボーイングは3月18日、中部空港(セントレア)に建設した787型機の主翼など主要部位を保管する「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)を、本稼働させたと発表した。18日は重工各社や自治体などの関係者を招き、鏡開きが行われた。

DOCの本稼働を祝う鏡割りをする式典参加者=3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

後部貨物扉を開き荷物を下ろすデモンストレーションドリームリフター=12年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 DOCは、重工各社が製造する787の部位を、ボーイングが787の大型部位輸送に使用している輸送機「ドリームリフター」で運ぶ前に、一時保管するために建設。2012年4月に設置を決定し、2013年2月に完成した。その後テストを繰り返し、本稼働開始を決めた。当初の計画では、2013年1-3月期の稼働としていた。

 米国ではシアトルとチャールストンにDOCを設置しており、両施設は昨年末から稼働。米国外での設置は、中部が初めて。

 現在中部からは、三菱重工業(7011)が製造する主翼、川崎重工業(7012)の前部胴体、富士重工業(7270)の中央翼をドリームリフターで運んでいる。これまではドリームリフターの運航スケジュールに合わせて、各社が海路で部位を搬入していた。DOCに一時保管できるようになったことにより、天候不順などでドリームリフターへの積み込みに間に合わない事態を未然に防ぐ。

 DOC内には、主翼や前部胴体、中央翼を乗せるラックを3基収容可能。ラック1基には、主翼は1つ、前部胴体と中央翼は前部胴体2つと中央翼1つ(または前部胴体1つと中央翼2つ)を載せることができ、ドリームリフター1機にはラック1基を搭載できる。

 また、ボーイングはドリームリフターの胴体下部貨物室の改修を進めており、全4機を10月までに改修する。これまで船便で輸送していたパーツ類の一部を、主翼などと一緒に空輸できるようにする。現在1機が改修済みで、どのようなパーツの輸送が適しているかなどの検証を進める。

 787の生産レートは現在月産10機だが、2016年までに同12機、2020年までには同14機に増産する見通し。

 ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフェオ社長は、「これまで50年間に、ボーイングは日本企業から360億ドル相当を調達してきた。増産により2014年から2020年までの6年間に320億ドル以上を日本から調達することになるだろう」と述べた。

 中部へのドリームリフターの飛来は今後、月に15回から20回となる見込み。

ラックに載せられた787の中央翼(手前)と前部胴体=3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部に完成したドリームリフター・オペレーションズ・センター=3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
ボーイング・ジャパン [1]
Boeing [2]
中部国際空港 セントレア [3]