英国のデータ分析会社「シリウム(Cirium)」が公表した、2025年10月の空港別の定時出発率によると、定期便の提供座席数が最も多い「ラージ(大規模)」部門で中国のハルビン太平国際空港がトップとなった。ラージ部門は中国勢の躍進が目立つ一方、日本勢のランクインはなかった。6月は福岡や新千歳など5空港がランクインし好調だったが、7月以降は低調が続いている。

10月の定時出発率でラージ部門トップとなったハルビン太平国際空港(MADアーキテクツのサイトから)
空港別のデータでは、定期便の提供座席数が多い順に「ラージ(大規模)」「ミディアム(中規模)」「スモール(小規模)」と分類。定刻に対して15分以下の遅延を「定時出発」と定義している。各空港とも予定されていた便に対し、月間の実運航の発着データが80%以上取得できたものを対象とする。
2024年までは、大規模部門のうちアジアや欧州、北米など3地域以上に運航する空港を、発着規模が最も大きい「グローバル」部門としていたが、今年はカテゴリーから除外した。
—記事の概要—
・大規模空港
・中規模空港
・小規模空港
大規模空港
大規模空港の「ラージ」部門の首位は、ハルビン太平国際空港が獲得。定時出発率は95.74%、運航便数は1万3247便、運航路線数は90路線、遅延便のみを対象とした平均遅延時間は74分だった。
定時出発率の首位から4位は中国勢が占めた。2位は瀋陽桃仙国際空港で93.84%、3位は昆明長水国際空港で92.08%。4位は成都双流国際空港で91.03%、5位はリヤド(サウジアラビア)のキング・ハーリド国際空港で90.14%だった。
日本勢で同部門でのトップ20入りは7月以降4カ月連続でゼロ。6月は福岡空港(5位)、新千歳空港(6位)、那覇空港(10位)、羽田空港(13位)、成田空港(18位)の5空港がランクインした。
中規模空港
ミディアム部門は、中国の長春龍嘉国際空港が首位を獲得。定時出発率は95.91%、運航便数は1万13便、運航路線数は62路線、平均遅延時間は70分だった。
定時出発率2位はパナマシティ(パナマ)のトクメン国際空港で93.61%、3位はダンマーム(サウジアラビア)のキング・ファハド国際空港で88.10%だった。4位はブラジリア国際空港(ブラジル)で87.64%、5位にはモンテレイ国際空港(メキシコ)が87.56%でランクインした。
日本勢のトップ20入りは伊丹空港のみで、定時出発率が85.43%で13位だった。
小規模空港
小規模空港の「スモール」部門では、高雄国際空港(台湾)が首位を獲得。定時出発率は94.22%、運航便数は5043便、運航路線数は35路線、平均遅延時間は37分だった。
定時出発率2位はグアヤキル(エクアドル)のオルメド・ホセ・ホアキン国際空港で92.80%、3位はアブハ国際空港(サウジアラビア)で92.40%だった。4位はエルサルバドル国際空港で91.06%、5位には中国の銀川河東国際空港がランクインし91.01%だった。
日本勢は上位20位にランクインしなかった。
関連リンク
Cirium [1]
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