全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)、スカイマーク(SKY/BC、9204)など国内の航空12社は12月22日、年末年始の予約状況を発表した。国際線はハワイが好調で、ANAは予約数が年末年始の過去最多を記録した。JALはハワイのほか、北米や欧州などが好調に推移している。一方で政府間の関係が悪化している中国本土は、ANAとJALの予約数で明暗が分かれた。このほか国内線の提供座席は、FSC(フルサービス航空会社)とLCC(低コスト航空会社)ともに前年割れが目立った。対象期間は26日から2026年1月4日までの10日間。

航空各社が発表した年末年始の予約状況(各社の発表資料からAviation Wire作成)
12社の発表値を合計すると、予約数は国際線が前年同期比10.2%増の69万3642人、国内線は0.4%増の330万6625人。提供座席数は国際線が8.7%増の81万5434席で、国内線は1.1%減の400万6294席となった。12社平均の予約率は国際線が1.1ポイント上昇し85.1%、国内線は1.2ポイント上昇し82.5%となっている。
ANA

ハワイ方面を中心に好調な各社の年末年始予約=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ANAの予約数は、国際線が前年同期比11.5%増の26万7510人で、国内線が1.2%増の146万9008人。提供座席数は国際線が6.7%増の30万9258席で、国内線は2.2%減の173万4632席となった。予約率は国際線が3.7ポイント上昇し86.5%、国内線は2.8ポイント上昇し84.7%となっている。
国際線は全方面が好調で、ハワイ線の予約数が年末年始の過去最多を記録。日本発需要はハワイのほかバンコク、シンガポール、ソウルなどアジア方面で堅調に推移している。中国大陸の予約率は83.0%。提供座席が前年同期比0.8%減(5万888席)でやや絞っているものの、予約数は4.1%増(4万2227人)で上回っている。国内線は関西・北海道が好調だ。
期間中のピークは、国際線は下り(日本発)が1月3日(92.2%)、上り(日本着)は1月4日(87.7%)。国内線は下りが12月27日(94.4%)、上りは1月3日と4日(それぞれ95.3%)が最も高い。
JAL
JALグループの予約数は、国際線が前年同期比1.5%減の22万221人で、国内線は3.4%減の102万7286人。提供座席数は、国際線が1.5%増の26万550席、国内線は1.6%減の128万9226席となった。予約率は国際線が2.6ポイント低下し84.5%、国内線は1.5ポイント低下の79.7%となっている。
方面別の予約数では、国際線が北米・欧州を中心に前年を上回っており、ハワイ・グアムも予約率が90%を上回っている。中国本土の予約率は66.5%。提供座席は前年同期比9.6%減(3万5684席)、予約数も21.0%減(2万3716人)で大きく下回っている。国内線は予約数・提供座席数ともに前年同期を下回っており、予約数は沖縄方面のみ前年を上回っている。
期間中のピークは、国際線は下り(日本発)が12月27日(94.3%)、上り(日本着)が1月4日(91.0%)。国内線は下りが12月27日(86.7%)、上りは1月3日(87.0%)が最も高い。
スカイマーク
スカイマークの予約数は、国内線が前年同期比3.5%増の22万7760人、提供座席数は2.9%増の28万722席。予約率は0.5ポイント上昇し81.1%となっている。国際線は運休が続いている。
搭乗日別の国内線予約率は、下りが12月27日(91.2%)、上りは1月3日(91.5%)が最も高い。
スターフライヤー
スターフライヤー(SFJ/7G、9206)の予約数は、国内線が11.3%増の4万7105人、提供座席数は2.9%減の5万7554席。予約率は10.4ポイント上昇の81.8%となっている。国際線は運休中で、2026年秋ごろの再開を計画する。
搭乗日別の国内線予約率は、下りは12月27日の86.8%、上りは1月3日の86.1%が最も高い。
エア・ドゥ
エア・ドゥ(ADO/HD)の予約数は、前年同期比0.9%減の7万5128人、提供座席数は4.2%減の8万2202席。予約率は3.1ポイント上昇し91.4%となった。
搭乗日別の予約率は、下り(北海道着)が12月29日の95.5%、上り(北海道発)は1月3日の97.0%が最も高い。
ソラシドエア
ソラシドエア(SNJ/6J)の予約数は、前年同期比0.3%減の7万2613人、提供座席数は7.9%増の9万1054席。予約率は6.6ポイント低下し79.7%となった。
搭乗日別の予約率は、下りが12月27日の90.0%、上りは1月3日の93.6%が最も高い。
ピーチ・アビエーション
ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の予約数は、国際線が前年同期比25.5%増の9万1192人、国内線が1.4%増の17万7457人、提供座席数は国際線が24.0%増の11万1936席、国内線が1.7%減の21万7396席。予約率は国際線が1.0ポイント上昇し81.5%、国内線が2.5ポイント上昇し81.6%となった。
ジェットスター・ジャパン
ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の予約数は、国際線が前年同期比27.1%増の2万5002人、国内線が6.3%増の14万4366人、提供座席数は国際線が14.6%増の2万8340席、国内線が前年同期並みの17万6844席。予約率は国際線が8.7ポイント上昇し88.2%、国内線が4.9ポイント上昇し81.6%となった。
搭乗日別の予約率は、国際線は日本発が12月28日(96.9%)、日本着は1月4日(89.0%)が最も高い。国内線は下りが12月30日の82.1%、上りは1月3日の81.2%が最も高い。
スプリング・ジャパン
スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)の予約数は、国際線が前年同期比1.6%減の1万9687人、国内線が50.9%減の3301人。提供座席数は、国際線が1.8%増の2万9294席、国内線が45.5%減の4536席となった。予約率は、国際線が2.3ポイント低下し67.2%、国内線が8.0ポイント低下の72.8%となっている。
搭乗日別の予約率は、国際線は日本発が12月26日(91.9%)、日本着は1月4日(72.0%)。国内線の下りが12月26日の87.3%、上りは1月3日と4日の100.0%が最も高い。
ZIPAIR
JAL傘下のZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の国際線予約数は前年同期比20.4%増の4万6498人、提供座席数は20.8%増の5万460席となった。予約率は0.3ポイント低下し92.2%となっている。
搭乗日別の予約率は、下り(日本発)が12月30日の100.0%、上り(日本着)は1月2日の96.2%が最も高い。
AirJapan
ANA傘下のエアージャパン(AJX/NQ)による新ブランド「AirJapan」の国際線予約数は前年同期比57.6%増の2万3532人、提供座席数は43.6%増の2万5596席となった。予約率は8.1ポイント上昇し91.9%となっている。
搭乗日別の予約率は、下り(日本発)が12月27日の99.9%、上り(日本着)は1月3日の97.2%が最も高い。
FDA
フジドリームエアラインズ(FDA/JH)の予約数は28.7%増の6万2601人、提供座席数は28.8%増の7万2128席。予約率は0.1ポイント低下し86.8%となっている。
2025年度の値にはJALとのコードシェア(共同運航)を含むが、前年度分には含んでいない。
関連リンク
全日本空輸 [1]
日本航空 [2]
スカイマーク [3]
スターフライヤー [4]
エア・ドゥ [5]
ソラシドエア [6]
ピーチ・アビエーション [7]
ジェットスター・ジャパン [8]
スプリング・ジャパン [9]
ZIPAIR [10]
AirJapan [11]
フジドリームエアラインズ [12]
24年年末年始利用実績
・年末年始、日並びで好調 ANAのハワイ過去最高 [13](25年1月6日)