エアバスが開発中の大型貨物機A350F初号機の胴体や翼が、仏トゥールーズの最終組立ライン（FAL）に到着し、組立が始まった。
トゥールーズに到着したA350Fの前胴（エアバス提供）
トゥールーズへは大型輸送機ベルーガXLで胴体などを空輸。前胴、中胴、後胴の各胴体と主翼や水平尾翼などが集まり、最終組立に入った。
エアバスはA350Fの試験機を2機製造し、2026年から2027年にかけて飛行試験を実施する計画。最大ペイロード（有償搭載量）は111トン、航続距離は8700キロメートル（4700海里）で、全長は70.8メートルと標準型A350-900（66.8メートル）と長胴型A350-1000（73.79メートル）の中間に位置づけられる。エンジンはA350-1000と同じロールス・ロイス製「Trent XWB-97」を搭載する。
A350Fは、旧世代機と比べて燃料消費量とCO2排出量を最大で40％削減できるとしており、エアバスによると、業界最大となる開口幅4.3メートルの貨物扉を備え、貨物の積み下ろし作業を効率化する。エアバスはA350Fを「将来の航空貨物輸送を担う機体」と位置づけている。
エアバスの受注リストによると、8月末時点で11社から計65機を受注。当初は2026年の就航を目指していたが、世界的なサプライチェーン問題の影響で、2027年下期となる見通し（関連記事 [1]）。
ベルーガXLに積まれたA350Fの前胴（エアバス提供）
トゥールーズに到着するベルーガXL（エアバス提供）
ベルーガXLから降ろされるA350Fの前胴（エアバス提供）
ベルーガXLから降ろされるA350Fの中胴（エアバス提供）
トゥールーズに到着したA350Fの中胴（エアバス提供）
トゥールーズに到着したA350Fの後胴（エアバス提供）
トゥールーズに到着したA350Fの胴体（エアバス提供）
A350Fの水平安定板（エアバス提供）
納入延期
・大型貨物機A350F、27年下期就航へ後ろ倒し サプライチェーン影響 [1]（25年2月21日）
A350F
・エアバス、A350F貨物機の初号機向け水平安定板完成 スペインで製造 [4]（25年7月24日）
・エアバス、A350F貨物機の初号機向け主翼完成 英国で製造 [5]（25年6月3日）
・エアバス、A350Fのデザイン公表 2案組み合わせ作成、25年初飛行へ [6]（23年6月23日）
・エアバス、A350Fのデザイン公募 パリ航空ショーで披露、24年初飛行へ [7]（22年10月6日）
・エアバス、A350貨物型開発へ 25年就航視野 [8]（21年7月31日）