8月31日から9月6日までによく読まれた記事をまとめました。一番読まれたものは、日本航空(JAL/JL、9201)の男性機長(64)が起こした社内規程違反となる飲酒問題の詳報でした。
国交省での会見前に陳謝する(左から)南正樹・運航本部長、中川由起夫・常務執行役員 安全推進本部長 安全統括管理者、野田靖・常務執行役員 総務本部長=25年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
第1位 JAL、飲酒機長解雇へ ホノルルで自主検査60回もゼロにならず [1]
当該機長の飲酒問題は現地時間8月28日に発生。ホノルル発中部行きJL793便(ボーイング787-9型機、登録記号JA874J)に乗務予定だったものの、会社や国が定める検査の前に行った自主検査でアルコールが検知されて乗務できなくなり、同便を含むホノルル発3便が最大18時間の遅延、約630人に影響が出ました。
JALは9月4日に会見し、詳細を説明。当該機長がアルコール検査器の検査日を一部改ざんしていたことや、缶ビール2本を飲んだ後に追加購入していたことなどが明らかになりました。検査器内の記録を改ざんしても、最終的には会社側のシステムに接続した時点で正しい日時が記録されるため意味がないものの、飲酒の事実を隠そうとしていた様子がうかがえました。
会見後の追加取材も含めると、会社側は当該機長を解雇する方針を固めたようです。当紙の報道に対し、SNSでは現役パイロットとみられる人の意見として、「航空法に違反していないのに解雇はおかしい」「就業規則に著しく違反すれば解雇は当然」と二分する意見がみられます。私が海外の航空会社も含めて取材した限りでは「乗客の安全に関わることを起こせば解雇は当然で、日本で騒ぎになることがわからない」という反応もありました。
一方で、監督する国土交通省航空局(JCAB)に対しても、「飲酒問題には厳しい割に、羽田空港では草が伸び放題で、標識が見えない場所もある」と、ここ数年複数のパイロットが繰り返し指摘している羽田空港の管理状況に対する厳しい意見もみられました。