日本航空(JAL/JL、9201)は8月1日、25歳以下が対象のJALカード会員向け国内線運賃「JALカードスカイメイト」のセールを実施すると発表した。国内全路線を一律片道4950円で販売するもので、搭乗期間は9月1日から10月9日まで。予約は搭乗当日の午前0時から受け付ける。

JALカードスカイメイトのセールを実施するJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
若年層の旅行需要を掘り起こすセールで、JALでは搭乗当日に友人と空港へ集合し、日帰りでグルメ旅を楽しむような使い方を提案している。
航空各社の国内線はコロナ以降、ビデオ会議の普及などで出張需要が落ち込んでおり、コロナ前に戻すことは難しいとの見方で各社が一致している。日本の人口減少もあり、今後大きな成長が期待できないことから、新たな需要創出が不可欠になっている。
JALが7月30日に発表した2025年4-6月期(26年3月期第1四半期)連結決算でも、事業活動による利益を示すEBIT(財務・法人所得税前利益)は2010年の破綻前も含めて同期として過去最高の455億600万円を記録したものの、国内線事業は「ぎりぎり黒字ラインだが厳しい状況」(グループCFOを務める斎藤祐二副社長)が続いている。国際線事業は今のところインバウンドが旺盛なものの、世界情勢の変化などで急変するリスクが常にあり、国内線の低迷を国際線で補うのは限界がある。
JALの鳥取三津子社長は、海外への修学旅行がコロナで減少したことなど、複合的な要因で若者の海外旅行が減少傾向にあることから「1回目がない、というのは非常に日本にとってマイナスではないか」と述べ、その前段ともいえる国内旅行に出掛けてもらう施策の一環として、今年2月から新運賃として「JALカードスカイメイト」を設定。国内線の需要創出とともに、若者が海外旅行に興味を持つきっかけ作りを進めていく。
関連リンク
JALカードスカイメイト [1]
日本航空 [2]
国内線苦境
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