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運輸安全委、ジェットスター中部脱出で報告書 滑降姿勢と援助体制に課題

 2023年1月7日に中部空港(セントレア)で起きたジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の成田発福岡行きGK501便(エアバスA320型機、登録記号JA14JJ)着陸後の乗客脱出について、国の運輸安全委員会(JTSB)は航空事故調査報告書をまとめた。爆破予告を受けて中部へ着陸後、滑走路上で脱出スライドを使った「警戒降機」を実施した際に乗客5人が負傷したことから、JTSBは乗客への脱出姿勢の周知不足や、地上側の援助者不在といった運用面の課題を指摘。非常脱出時に最大限の迅速さが要求される「緊急脱出」と警戒降機の違いを明確にするなど、航空業界全体で現状を共有して再発防止につながる対応を求めた。

降機に使用したスライドを展開した機体平面図(JTSBの報告書から)

23年1月に中部で警戒降機を実施したジェットスター・ジャパンGK501便に使用されたA320 JA14JJ(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 乗客が負傷したGK501便は、成田空港を午前6時21分に出発して福岡へ向かっていたが、爆破予告の電話連絡を受けたことから、目的地を中部に変更。午前7時41分に着陸後、誘導路上で停止し、脱出を開始した。乗客136人(幼児2人含む)と乗員6人(パイロット2人、客室乗務員4人)の計142人が搭乗しており、4カ所のドアからスライドを展開して脱出した。このうち5人の乗客が