IATA(国際航空運送協会)は現地時間6月2日、代替航空燃料「SAF(サフ、持続可能な航空燃料)」の今年の年間生産量が前年の3倍にあたる19億リットル(150万トン)に達するとの予測を発表した。一方、全世界が今年必要とする年間航空燃料需要の0.53%にとどまっており、航空業界が掲げる2050年までのCO2(二酸化炭素)排出実質ゼロを実現するためには、各国の政府がSAF普及に向けた政策を講じる必要性があると訴えた。
SAFの年間生産量が前年比3倍になると予測を発表したIATA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
IATAによると、航空業界が目指す2050年のカーボンニュートラル実現に向けたさまざまな施策のうち、SAFは約65%にあたるという。アラブ首長国連邦のドバイで、IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は「まだ道のりは長いが、指数関数的な増加の方向性が見え始めている」と述べた。
これまでに約140の再生可能燃料プロジェクトが、2030年までにSAFを生産開始