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次期戦闘機、三菱電機がレオナルドなどと協業契約 アビオニクスを共同開発

 三菱電機(6503)と英国のレオナルドUK、イタリアのレオナルドとエレットロニカの4社は3月15日、日英伊3カ国が共同開発する次期戦闘機プロジェクトで、ミッションアビオニクスシステムの開発担当企業として協業契約を締結したと、幕張メッセで同日開幕した防衛・セキュリティ総合展示会「DSEI Japan」で発表した。

DSEI Japanの会場に展示された次期戦闘機の模型=23年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 4社は専門知識を互いに提供し、合同チームを作り開発を進める。三菱電機は国産戦闘機F-2用アビオニクスの開発・生産を手掛け、次期戦闘機でも複数の開発プロジェクトに参画している。

 レオナルドUKは、2018年に設立された英国の「チーム・テンペスト」プロジェクトの創設メンバーで、第6世代戦闘機の技術開発に携わっている。三菱電機とレオナルドUKは、2018年からレーダーの共同開発に取り組んでおり、協業の実績がある。

 次期戦闘機は、日本ではF-2の後継機となり、2035年までの開発・配備を目指す。日本が米国以外の国と戦闘機などの防衛装備品を共同開発するのは初めて。英国とイタリアは、英独伊西の欧州4カ国が共同開発した戦闘機「ユーロファイター」の後継機として、2035年の就役を目指す次世代戦闘機「テンペスト」の開発を進めてきた。

 2022年12月に3カ国による共同開発を発表後は「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP:Global Combat Air Programme)」として開発を進め、3カ国すべてが将来に渡り最先端の戦闘航空能力を設計、配備、アップグレードできる枠組みとしている。

 アビオニクスを手掛ける4社のほか、各国で開発主体となる企業は、機体が三菱重工業(7011)と英BAEシステムズ、伊レオナルド、エンジンはIHI(7013)と英ロールス・ロイス、伊アヴィオで、各プロジェクトを統括していく。

DSEI Japanの会場に展示された次期戦闘機の模型=23年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

DSEI Japanの会場に展示された次期戦闘機の模型=23年3月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
三菱電機 [1]
防衛省 [2]
航空自衛隊 [3]
Team Tempest [4](Royal Air Force)
三菱重工業 [5]
IHI [6]
BAE Systems [7]
Leonardo [8]

共同開発発表
次期戦闘機、日英伊3カ国共同開発 F-2後継35年配備へ、米とは無人機開発 [9](22年12月9日)
IHI、次期戦闘機のエンジン参画 日英伊が共同開発 [10](22年12月10日)

テンペスト
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