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米空軍、E-7を発注 早期警戒管制機E-3後継

 ボーイングは現地時間2月28日(日本時間3月1日)、米空軍から早期警戒管制機(AEW&C)E-7を受注したと発表した。現行の早期警戒管制機(AWACS)E-3「セントリー」の一部を置き換えるもので、米国向けに2機種の開発を始める見通し。12億ドルのUCA(未定義契約通知)に基づく受注となる。

米空軍のE-7のイメージ(ボーイング提供)

 米空軍は2020年4月にE-3の後継機としてE-7を選定。2023年度(米国基準)から研究・開発・試験・評価を始め、2024年度に試作機の資金調達、2025年度に生産決定、2027年度の試作機引き渡しを見込んでいる。

 E-7は、ボーイングが「AEW&C(Airborne Early Warning & Control)」と呼ぶボーイング737-700型機がベースの早期警戒管制機で、MESA(多機能電子走査アレイ)センサーにより、複数の空中と海上の脅威を360度同時に監視する能力を持つ。オープンアーキテクチャーを採用し、将来の脅威に対して能力を向上できる。

オーストラリア空軍のE-7(ボーイング提供)

米空軍のE-3(同軍提供)

 E-7の愛称「ウェッジテイル」は最初に導入した豪州空軍の命名で、2021年までE-3を運用していた英空軍は「Wedgetail AEW Mk1」と名付けて採用している。

 これまでに豪英2カ国のほか、大韓民国とトルコの計4カ国が採用しており、米国は5カ国目。2035年にE-3の退役を計画しているNATO(北大西洋条約機構)でも、後継機に選定される可能性が高まっている。

 現行のE-3は707をベースにした機体で、1977年3月に米空軍へ最初の機体が引き渡された。機体後方上部に設置されたキノコのような大きな円盤型の回転式レーダーが特徴で、E-7は板状の固定式になった。また、E-3では4基あったエンジンが、737ベースのE-7は2基に半減する。

 ボーイングはE-7について、E-3と比べて運用コストを66%削減でき、E-3よりも少ない人員でより多くの能力を提供できるとしている。

米空軍のE-7のイメージ(ボーイング提供)

米空軍のE-7のイメージ(ボーイング提供)

米空軍のE-7のイメージ(ボーイング提供)

米空軍のE-7のイメージ(ボーイング提供)

関連リンク
Boeing: E-7 AEW&C Airborne Early Warning & Control Aircraft [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]

22年に選定
米空軍、E-3後継機にE-7 27年度に試作機受領 [4](22年4月29日)

NATO
NATOのE-3後継機調査、ボーイングが受注 [5](22年4月2日)
ボーイング、NATO向けE-3改修完了 コックピットを近代化 [6](18年12月19日)

米軍
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