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中国の偵察気球、F-22が撃墜 サイドワインダーで

 米国のオースティン国防長官は現地時間2月4日(日本時間5日)、中国の高高度監視気球を安全に撃墜したと発表した。米空軍によると、バージニア州ラングレー空軍基地の第1戦闘航空団のF-22「ラプター」戦闘機が、気球に向けてAIM-9X「サイドワインダー」ミサイルを1発発射。サウスカロライナ州の沖合約6マイル(約9.7キロ)、水深約47フィート(約14.3メートル)の地点に落下した。けが人はなかった。

米空軍のF-22(同軍提供)

 中国の気球は、1月28日にアリューシャン列島付近の米国領空に侵入し、米国当局は気球と搭載物を探知。気球はアラスカ、カナダを横断し、アイダホ上空で再び米国領空に入ったという。バイデン大統領は2月1日に撃墜命令を出したが、地上に被害が及ばないよう、気球がサウスカロライナ州沖の海上に出るまで延期された。

 米空軍は「この気球は軍事的、物理的な脅威を与えるものではなかった。それでも、数日間にわたる米国領空への侵入は、米国の主権に対する容認しがたい侵害である」と中国を厳しく批判。中国の気球は前政権時代に少なくとも3回、米国本土を短時間通過していたといい、中国政府による偶発的な領空侵入とは言いがたいようだ。

 F-22は高度5万8000フィートから気球に向けてサイドワインダーを発射。気球の高度は6万から6万5000フィートだった。今回の作戦にはF-15戦闘機や米海軍のタイコンデロガ級イージス巡洋艦フィリピン・シー、アーレイ・バーグ級ミサイル駆逐艦オスカー・オースチン、ハーパーズ・フェリー級揚陸艦カーター・ホールなどが支援部隊として参加し、カナダ軍も気球の飛行追跡を支援した。

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U.S. Air Force [1]

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