- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

米空軍、次期ステルス爆撃機B-21の写真公開 試験機を披露

 米空軍は現地時間12月2日(日本時間3日)、ノースロップ・グラマンが同日お披露目した開発中のステルス戦略爆撃機B-21「Raider(レイダー)」の写真を公開した。

米空軍が公開したステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(同軍提供)

 B-21は世界初の第6世代航空機で、ノースロップ・グラマンが開発したB-2と同じく全翼機。老朽化した米空軍の爆撃機B-1とB-2を徐々に置き換え、B-52と併用する形で更新していく。米空軍は少なくとも100機を調達する見込みで、2022年基準の平均調達単価は6億9200万ドル(約806億円)としている。

 ノースロップ・グラマンと米空軍は、B-21の初飛行が2023年になるとの見通しを今年5月に示しており、実施時期は地上試験の結果に基づいて決定する。

 同社は「10のキーファクト」としてB-21の特徴を打ち出しており、オープンアーキテクチャーの採用により、旧世代の航空機と異なりブロック・アップグレードを実施しない。2日の除幕式に列席したロイド・オースティン国防長官は「米国が技術革新を続ければ、まだ発明されてもいない新しい兵器で国を守ることができるようになる」と述べた。

 “デジタル爆撃機”として、アジャイルソフトウェア開発や高度な製造技術、デジタルエンジニアリングツールを採用し、製造リスクを軽減。データのクラウド環境への移行を成功させており、より低コストなインフラで機体を運用できるようにした。

 また、B-52やB-1、B-2よりも優れた搭載量や航続距離、攻撃力になるとみられ、通常弾頭と核弾頭に対応する。

米空軍が公開したステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(同軍提供)

 空軍によると、2日に公開されたB-21は、製造中の6機のうちの1機。各機は試験機とみなされるが、同じ生産ラインで量産機と同じ工具、プロセス、技術者を使って製造されている。この手法により、製造技術者やエンジニアは試作機で得た知見をその後の生産機に反映できるという。

 B-21の就役日は未定だが、基地は決定。サウスダコタ州のエルスワース空軍基地が最初の主要作戦基地で、正式な訓練部隊となる見通し。残りの基地は、ミズーリ州のホワイトマン空軍基地とテキサス州のダイス空軍基地が望ましい場所とされており、いずれもB-1やB-2が配備されている基地となる。

*式典の記事はこちら [1]

パームデールでお披露目されたステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

関連リンク
U.S. Air Force [2]
Northrop Grumman [3]

全翼のステルス爆撃機B-21、パームデールでお披露目 初の第6世代機 [1](22年12月3日)
次期ステルス爆撃機B-21、デジタル技術で能力向上 初の第6世代機12/2お披露目 [4](22年12月1日)
次期ステルス爆撃機B-21、ロールアウトは今年後半 初飛行は23年 [5](22年5月28日)