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ジャパネット髙田社長「良さが伝わっていない」特集・スターフライヤー大株主が取り組む認知度向上

 スターフライヤー(SFJ/7G、9206)とジャパネットホールディングス(長崎・佐世保市)は9月1日、8月26日に締結した資本業務提携の説明会をスターフライヤーの本社がある北九州空港で開いた。年内に機内誌を共同制作したものに刷新し、個人用モニターで視聴できる番組の一部もジャパネットが手掛ける体制にする。年明けには旅行商品などでも協業を始める計画を進めており、首都圏などで不足しているスターフライヤーの認知度の向上を図る。

 通販業界では圧倒的な知名度持つジャパネットと組むことで、どのようなシナジーが期待できるのだろうか。

北九州空港のスターフライヤー本社で記念撮影に応じる(右から)ジャパネットホールディングスの髙田旭人社長、スターフライヤーの町田修社長、アドバンテッジパートナーズの笹沼泰助共同代表パートナー、アドバンテッジアドバイザーズの小林建治ディレクター=22年9月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
ANAに次ぐ株主に
コールオプション「期限近くで判断」
全国的な知名度とシニアに強み
「磨かなくても良いものを持っているが、伝わっていない」

ANAに次ぐ株主に

 スターフライヤーは、投資ファンドのアドバンテッジアドバイザーズ(東京・港区)と2020年12月25日に事業提携契約を締結。今回の提携は、アドバンテッジアドバイザーズが提供するファンドである投資事業有限責任組合IXGSIII号が保有するスターフライヤーの普通株式をジャパネットに譲渡するもので、9月28日の譲渡を予定している。

ジャパネットが出資するスターフライヤー=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ジャパネットが取得する普通株式は50万株で、議決権数の割合は14.26%。今年3月末時点のスターフライヤーの筆頭株主はANAホールディングス(ANAHD、9202)で、議決権比率は17.125%となっており、ジャパネットは第2位の株主になる。

 IXGSIIIはジャパネットに対し、今回の契約で市価にかかわらず事前に決められた価格で株を取得する権利「コールオプション」を、スターフライヤーの普通株式に対して2トランシェ付与。トランシェ1はコールオプション価格が1株当たり4100円で、対象の普通株式は50万株、トランシェ2は1株当たり4500円で同10万株となっており、いずれも行使期限は2025年9月30日とした。

 3月末時点の大株主上位5者は、ANAHD(9202、51万4700株、議決権比率17.125%)、TOTO(5332、14万株、4.658%)、ゴルフライフ(東京・渋谷区、10万3900株、3.457%)、安川電機(6506、9万4660株、3.147%)、北九州エアターミナル(北九州市、8万株、2.661%)。ANAHDは持株会社へ移行前の2012年12月に、米国のベンチャーキャピタルファンドから株主を取得して筆頭株主になった。

コールオプション「期限近くで判断」

 1日に会見したジャパネットホールディングスの髙田旭人社長は、「7月くらいに話があった。スターフライヤーの価値が上がることがメリットなので、資本業務提携をやりたかった」と述べ、単なる業務提携ではなく、出資を前提に検討したという。

北九州空港のスターフライヤー本社で会見するジャパネットホールディングスの髙田旭人社長=22年9月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 コールオプションの行使については、「行使価格が少なくとも