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ピーチ森CEO「飛ぶ意思表示しないと動いてくれない」高収益路線に注力

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の森健明CEO(最高経営責任者)は8月28日、今後国際線の再開が進んだ際の事業戦略として、国内・国際を問わず収益性が見込める路線に注力することで、経営立て直しを急ぐ考えを示した。

関空で取材に応じるピーチの森CEO=22年8月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ピーチはコロナ影響で国際線をすべて運休していたが、28日に関西-ソウル線を約2年半ぶりに再開。2012年5月に就航した同社初の国際線で、運航再開も1路線目になった。

 コロナ前のピーチは、航空事業の約4割を国際線が占めており、国際線が全便運休する中、国内線の拡充を進めてきた。28日に週6往復で再開したソウル線を皮切りに、9月16日に関西-台北(桃園)線、22日に成田-台北線を再開。冬ダイヤ初日の10月30日からは、羽田-ソウル線も1日1往復(週7便)で再開し、関西-ソウル線は1日2往復(週14便)に増便し、各国政府の入国制限緩和を前に需要を開拓する。

 森CEOは「飛ぶ意思表示をしないと、相手(就航国の政府)も動いてくれない」と述べ、再開後に需要が見込める路線から準備を進めている。「飛べるようになってからでは遅い」という。

 国際線回復後の計画について、森CEOは「すぐに機材は増えないので、当面は手持ちの機材でより収益が見込めるようにする。国内も国際も問わず、より収益の見込める路線にリソースを積極的に投入することで、早期に経営を立て直すことが最優先だ」と語った。

 ピーチはコロナ前に、新事業となる中距離国際線に投入する機材として、エアバスA321LR(1クラス218席)を発注。3機を導入する計画で、2021年12月に国内線へ就航させた。現在2機受領済みで、今年度内に3機がそろう。

 既存のA320ceo(従来型A320、1クラス180席)や、発展型で2020年10月に就航した低燃費・低騒音の新型エンジンを搭載するA320neo(1クラス188席)よりも多くの乗客を運べる。国際線の回復に合わせ、A321LRも国内線から国際線に活躍の場を移し、1便当たりの収益性向上を図る。

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