シェラトン東京ベイ、737シミュレーター導入　前政府専用機モックアップも

　シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル（千葉・浦安市）は7月25日、ホテル内にボーイング737型機のフライトシミュレーターを8月1日から設置すると発表した。資格を保有するインスタラクターが指導し、パイロット体験を提供する。また、前政府専用機「B-747-400」のスペアパーツを活用した客室のモックアップも設置。シミュレーターとモックアップの両方を導入するのは、ホテル業界としては世界初となる。

シェラトン東京ベイに導入する737フライトシミュレーター＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
・本物のコックピット再現
・シミュレーターで「非日常リゾート体験」

本物のコックピット再現

　フライトシミュレーター「SKY Experience」は、実物大の操縦かんやスイッチなどを搭載。ソフトウェアもボーイングと同じものを使用し、本物のコックピットを再現する。体験中は操縦士技能証明の資格を所持するインストラクターが指導する。世界中の約4万5000空港から好きな飛行ルートや時間を設定し、本格的な飛行体験を提供する。

　同時に導入する客室のモックアップは全長約13メートル。2019年3月末で退役した初代政府専用機の座席やカーペットなどを設置する。フライトシミュレーターはモックアップと併設する。

　フライトシミュレーターと客室のモックアップは、いずれもフライトシミュレーターでの訓練事業を展開するスカイアートジャパン（Skyart JAPAN、東京・品川）が運営。同社は旧政府専用機のスペアパーツ販売も手がけている。

　1-2人で利用できる30分コースと、1-4人で利用できる70分コースの2つを用意する。いずれも10分間のブリーフィングを含む。宿泊者の利用料金は、30分コースが1万5000円から、70分コースが3万円から。宿泊者以外は30分1万9800円、70分3万9600円で利用できる。シェラトンによると設置は期間限定ではなく、無期限で運営するという。

シェラトン東京ベイに設置する前政府専用機のスペアパーツを活用した客室モックアップ＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

シミュレーターで「非日常リゾート体験」

スカイアートジャパンのアルパ アブドラ代表＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

　指導するインストラクターは、過去に航空会社でエアバスA320型機を操縦していた。航空会社は非公表で、現在はスカイアートジャパンに転籍し、737のインストラクターを務めている。

　シミュレーターは、スカイアートジャパンがパーツを各社から取り寄せて仕上げた。同社のアルパ アブドラ代表によると、ホテルでの組み立ては3カ月程度かかるという。

　シェラトンによると、今回の企画は2021年11月ごろに始まったという。ホテル内には家族で楽しめる施設が多くあることから、シミュレーターの設置により「非日常リゾート体験を提供」（シェラトン）し、家族連れなどのさらなる集客強化を狙う。

シェラトン東京ベイに導入する737フライトシミュレーター＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

シェラトン東京ベイに導入する737フライトシミュレーターのスイッチ＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

シェラトン東京ベイに設置する前政府専用機のスペアパーツを活用した客室モックアップ＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

シェラトン東京ベイに設置する前政府専用機のスペアパーツを活用した客室モックアップの座席＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

シェラトン東京ベイに設置する737フライトシミュレーターに併設する物販コーナー＝22年7月25日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
SKY Experience ^[1]（Marriott Bonvoy）
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル ^[2]
Skyart JAPAN ^[3]

・東京ベイ東急ホテルにJAL「ウイングルーム」　国内線777の廃材再利用、海望む角部屋 ^[4]（22年4月27日）
・セントレアホテル、最上階にANAコラボルーム　テーブルは777ホイール ^[5]（21年10月21日）

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