エアライン, ボーイング, 機体 — 2022年7月19日 09:58 JST

ANA、777X貨物機と737MAX発注 片野坂HD会長「安全性保証されていると確信」

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 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は現地時間7月18日、ボーイングの次世代大型機777Xの貨物型777-8Fと小型機737-8(737 MAX 8)を発注する調印式をロンドン近郊で開催中のファンボロー航空ショーで開いた。すでに11日に発表したもので、2014年に導入を発表した20機の大型旅客機777Xのうち、2機を777-8Fに発注変更し、2028年以降の受領を予定。737 MAXは国内線機材の737-800の後継機として、2025年度から導入する見通し。2機種とも日本初導入となる。

ファンボロー航空ショーで開かれた777-8Fと737-8の調印式で握手を交わすANAホールディングスの片野坂真哉会長(右)とボーイングのスタンリー・ディール民間航空機部門社長兼CEO=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAHDは、長距離国際線機材777-300ERの後継機として、777Xの導入を2014年3月27日に発表し、同年7月31日に正式発注。777Xはメーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成され、777-9から開発が進められている。ANAHDが2014年に発注したのは777-9で、現行機777-300ERよりもやや大型化する。今回の見直しで18機導入する。

 777-8Fは777-8を基にした大型貨物機で、航続距離4410海里(8167キロ)、胴体長70.9メートル、最大積載量(ペイロード)は118トン。747-400Fとほぼ同等の積載能力を持ち、燃費や排出ガス、運航コストを30%改善した。ANAHDは11日に開催した臨時取締役会で、20機の777-9のうち2機を777-8Fに発注変更した。

 ボーイングは当初、777Xの初号機納入を2020年に予定していたが、その後2021年に延期。ANAHDも2021年度から2027年度としていたが、その後開発遅延により2023年度から2029年度の予定となった。今年4月には、ボーイングはさらに2年遅らせ、2025年に初号機を納入すると発表した。ANAHDの777-9受領開始も、2025年度にずれ込む見通し。

 737-8は2019年1月29日に発注を発表。11日に最終購入契約を締結した。確定発注が20機、オプションが10機となる。

 調印式に出席したANAHDの片野坂真哉会長は、「コロナ後も貨物事業の高い成長が期待できると思う」と、777-8Fに発注変更した狙いを語った。2度の墜落事故が起きた737 MAXについては「ボーイングは見事に課題をクリアした。安全性が保証されていると確信し、最終的な契約を締結することを決定した」と述べた。

*写真は4枚。

ファンボロー航空ショーで開かれた777-8Fと737-8の調印式で挨拶するANAホールディングスの片野坂真哉会長(右)=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで開かれた777-8Fと737-8の調印式で書面にサインするANAホールディングスの片野坂真哉会長(右)=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで開かれた777-8Fと737-8の調印式の会場に飾られたANAホールディングスが発注した737-8(手前)と777-8Fの模型=22年7月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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