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米次期空中給油機案LMXT、給油ブームをアーカンソー州で製造

 ロッキード・マーチンは現地時間5月18日(日本時間19日)、米空軍の「ブリッジタンカー」と呼ばれる次期空中給油機KC-Y計画に提案しているLMXT空中給油機のブームシステムについて、アーカンソー州で製造する計画を発表した。

F-35に給油するLMXTのイメージ(ロッキード・マーチン提供)

 LMXTはエアバスの多目的空中給油・輸送機A330 MRTTを基に開発するもので、受注を獲得できた場合の主契約者はロッキード・マーチン。エアバスのアラバマ工場があるモビールでA330を旅客機として製造後、ロッキード・マーチンのマリエッタ工場で空中給油機に改修する。今回の発表によると、空中給油ブームシステムはエアバスがアーカンソー州西部で生産するが、具体的な場所は決まっていないという。

 実現した場合、エアバスが同州に生産拠点を設立するのは初めて。一方、ロッキード・マーチンは、同州カムデンに製造拠点を1978年に開設しており、ミサイルなどを手掛けている。

 LMXTの製造は2段階に分かれており、フェーズ1(第1段階)がアラバマ工場でのA330としての製造、フェーズ2がマリエッタ工場での民間旅客機から空中給油機に改修する工程となり、アーカンソー州でのブーム組立はフェーズ2に含まれる見込み。

 ベースとなるA330 MRTTは中型機A330-200を基に開発した戦略空中給油機で、世界14カ国が採用。世界初の全自動ブーム/空対空給油(A3R)システムなどが特徴となっている。

 LMXTの大きさは全長193フィート(約58.8メートル)、翼幅198フィート(約60.4メートル)、高さ57フィート(約17.4メートル)で、最大離陸重量(MTOW)は53万3500ポンド(約242トン)、航続時間は19.5時間となっている。給油可能な機体はF-35A、F-22、F-15、F-16、A-10、B-1B、C-17、E-3、E-7、P-8Aを計画している。

関連リンク
LMXT [1](Lockheed Martin)
A330 MRTT [2]
Lockheed Martin [3]

LMXT
米次期空中給油機KC-Y向けLMXT、モビールとマリエッタで製造 ロッキード・マーチンが提案 [4](22年2月4日)

A330 MRTT
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