日本航空(JAL/JL、9201)は、2023年度から導入を始める長距離国際線機材のエアバスA350-1000型機を初年度は2機受領する。確定発注は13機で、現在の中期経営計画の最終年度となる2025年度末には9機体制を構築し、現行の13機あるボーイング777-300ER型機を順次置き換えていく。
一方、100%出資する中距離国際線LCCであるZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)が受領を予定しているボーイング787型機は、FAA(米国連邦航空局)から製造時の品質問題を指摘されており、ボーイングが認証計画をFAAに提出したものの、納入再開時期が明確になっていない。
5月6日に発表した中期経営計画の2022年度ローリングプラン(改訂版)のうち、機材関連はどのような計画になっているのだろうか。
—記事の概要—
・25年度までに9機のA350-1000
・787品質問題「少し懸念材料」
25年度までに9機のA350-1000
JALがA350の発注を発表したのは2013年10月7日。これまで日本の航空会社が大型機を選定するとなれば、米国のボーイングと相場が決まっていたことから、欧州のエアバス機導入は日本の航空業界に大きな衝撃を与えた。777の後継として、標準型のA350-900を18機、長胴型のA350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。国内線機材のA350-900は2019年9月1日に就航し、16号機(登録記号JA16XJ)まで受領している。
16号機まではすべてA350-900だったが、17機目はA350-1000の初号機(JA01WJ)となる。JALはA350-1000を2025年度末までに9機を導入後、2028年度ごろまでに残り4機を受領する見通しで、現行の777-300ERを順次退役させる。777はすでに国内線用の777-200と777-300が2021年3月末で全機が退役済みで、国際線から国内線に転用した777-200ERは2023年3月末までに全5機が退役する。
5月6日に中期経営計画の2022年度ローリングプラン(改訂版)を発表したJALの赤坂祐二社長は「フルサービスキャリア(FSC)事業の成長は