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「15年度黒字化は必須。A330は白紙」バニラ・エア石井社長インタビュー

 11月1日にブランド変更を行うANAホールディングス(9202)傘下のエアアジア・ジャパン(WAJ)。6月にはマレーシアのエアアジアとの合弁を解消し、現在はANAHDの100%子会社となったWAJは、8月20日に新ブランド「バニラ・エア」を発表した。9月下旬に路線などを発表し、運航開始は12月下旬の予定だ。

バニラ・エアの石井社長=8月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

多くのメディアが詰めかけたバニラ・エアのブランド発表会=8月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 これまでのWAJは、赤いエアバスA320型機とセクシーな客室乗務員がトレードマークだったが、バニラの花をかたどった新しいロゴは、色使いにブルーとイエローを用いて、リゾート路線に特化したLCC(低コスト航空会社)であることを表現している。ブルーは心地よい開放感、イエローは華やかさや楽しさ、太陽を意味している。

 WAJの直近のロードファクター(座席利用率、L/F)を見てみると、4月が56.5%、5月が53.4%、6月が52.7%、7月が63.6%。LCCの損益分岐点となる80%にはほど遠い実績だった。全日本空輸(ANA)の国内線実績、毎月55%前後なので、LCCというよりはフルサービス航空会社(FSC)の国内線実績のような値だったと言える。

 バニラ・エアの社長は、8月1日付でWAJの新社長に就任した、全日本空輸(ANA)出身で元エア・ドゥ(ADO)の石井知祥氏。石井社長は8月のL/Fについて「85%を見込んでおり、過去最高の値だ」と述べ、8月を成功体験として、転換点にしたいようだ。

 定時出発率は、5月から7月は80%台で、ANAの90%台と比べると差がみられる。「シンプル」、「エクセレント」、「ニューベーシック」の3つをテーマに策定した同社は、シンプルで高品質なサービスを提供を目指す。定時出発率の改善も行っていく。

 現在WAJの社員数は420人。大半がバニラ・エアに残るとみられ、エアバスA320型機を5機から6機程度運航できる陣容。今後の機材や黒字化の見通しなどについて、石井社長が単独インタビューに応じた。