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「大きな案件が評価されがちだった」空港施設、改善活動発表会を”改善”

 企業が社内向けに開く業務改善の発表会。周りから推薦された人がせっかく発表したものの、提案内容に経営陣やほかの出席者からダメ出しが相次いでしまい、自発的に発表しようとする人が徐々に減ってしまうというところもあるのではないか。

空港施設の21年度改善活動発表会で社内報のリニューアル事例を報告した広報室の荒井さん(左)と坂本さん=22年3月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 空港施設(8864)では2021年に業務改善発表会を約10年ぶりに開催し、今年も前年度末の3月30日に開いた。個別の発表ごとに経営陣や参加者の意見を求めるのではなく、改善活動への理解を全社で深めてもらい、積極的な提案を求めて成功事例の共有を進める狙いがある。

—記事の概要—
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 空港施設の改善活動報告は1975年にスタート。30日の発表会で対象となった2021年度は過去最多となる114件の提案があり、事務局によると他部署と連携した新しいビジネスモデルを追求した改善や、IT/DXに取り組んだものが目立ったという。このうち財務業務の自動化や社内報の刷新など3件が銅賞を受賞し、貨物地区内にある喫煙所の設置場所を自社負担なしに変更できた取り組みなどが佳作に入った。

21年度改善活動発表会で社内報のリニューアル事例を報告する坂本さん=22年3月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 年3回発行しているという社内報の刷新は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が拡大した2020年4月の新卒入社となった経営企画部IR室/総務部広報室の坂本千依さんと、全日本空輸(ANA/NH)の客室乗務員で同室に出向中の荒井薫さんが担当。最終的な紙面レイアウトなどを委託している制作会社とリニューアル案を詰めた。

 坂本さんは「従来の社内報は写真がモノクロでビジュアル的に訴えるものではなかったため、なかなか読んでもらえず、本来は社内コミュニケーションツールになるはずが、役割を果たせていませんでした」といい、昨年の夏号から段階的にカラー化し、11月発行の秋冬号から全面カラーに移行した。

 カラー化の費用を捻出するため、社内の