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世界最大の飛行機An-225破壊 ウクライナ政府「ムリーヤは決して滅びない」

 ロシアの侵略を受けているウクライナ政府は日本時間2月28日深夜(現地時間27日午後)、世界最大の超大型貨物機アントノフAn-225「ムリーヤ」(登録記号UR-82060)がロシア軍によりキエフ近郊の空港で破壊されたと発表した。同時に「私たちはこの飛行機を再建する」とした。

An-225が破壊されたことを知らせるウクライナ政府のTwitter

 ウクライナ語で「夢」を意味するムリーヤは運航可能な機体が世界でたった1機で、6基のエンジンで大量の貨物を一気に運ぶことができる。ペイロードは250トンで、2020年5月には中部空港にも飛来した。

 投稿された機体の写真には「もっとも大きな飛行機が燃えたが、我々のムリーヤは決して滅びない」との言葉が添えられた。

 ウクライナ政府の投稿から25分後、アントノフは「An-225は専門家による点検を受けるまで、技術的な状況を報告できない」と投稿している。

 An-225は旧ソ連の大型ロケット「エネルギア」やソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送するために開発された機体で、1988年12月21日に初飛行。商業運航は2001年に開始し、変圧器や移動式発電機など「オーバーサイズカーゴ」と呼ばれる大型貨物を搭載し、世界各地を飛行してきた。また、世界の平和維持活動や人道支援にも貢献し、2020年5月に中部へ給油のために飛来した際も中国からカナダへ医療物資を運ぶ途中だった。

 機体の大きさは全長84.0メートル、全幅88.4メートル、全高18.1メートル。An-124「ルースラン」を基に設計され、主翼前後の胴体を延長した。貨物室の大きさは43.3メートル×6.4メートル×4.4メートルで、An-124より6.8メートル長い。アントノフによると、機体の耐用年数が延長され、少なくとも2033年までは運用できる状態だったという。

 日本時間27日夜からオンラインで開かれたG7(先進7カ国)の外相による緊急会合では、ロシアのウクライナ侵攻を「侵略」と強く非難した。

関連リンク
Ukraine [1](Twitter)
ANTONOV Company [2](Twitter)
ANTONOV Company [3]

ロシアのテレビ局が現地報道
世界最大の航空機An-225、現地で大破報道 [4](22年3月4日)

アントノフ
「ロシア軍艦はくたばれ!!!」An-124クルーがメッセージ [5](22年2月28日)
アントノフ、Twitterに「StopWar StopRussia Save Ukraine」露のウクライナ侵攻で [6](22年2月27日)

【お知らせ】
機体の詳細を追記しました。(2024年2月28日 13:22 JST)