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エンブラエル、E175-E2の開発3年間中断 27年以降就航

 エンブラエルは、次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのE175-E2について、開発を3年間中断する決定を下した。「スコープ・クローズ」と呼ばれるリージョナル機に関する米国の労使協定に関する協議の進捗や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の民間航空機市場への影響などによるもの。新たな就航時期は2027年から2028年の間を想定している。

E175-E2(エンブラエル提供)

 E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機。E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成し、機体サイズはE175-E2が最も小さい。エンジンは、三菱航空機が開発を凍結している三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet、旧MRJ)と同様、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。

 E175-E2は2019年12月12日に初飛行。メーカー標準の座席数は1クラスの場合は最大90席、3クラスは80席。スコープ・クローズは、76席までの航空機の最大離陸重量(MTOW)制限に関する米国のパイロット組合との労使協定で、現状ではMTOWが9万8120ポンド(4万4600キログラム)のE175-E2はリージョナル機のパイロットが運航できず、機体を再設計するか協定の緩和が必要になる。

 エンブラエルは現地時間2月18日に開いた取締役会で、E175-E2の開発中断を承認した。

関連リンク
E175-E2 [1]
Embraer [2]

19年に初飛行
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スペースジェットは「一旦立ち止まる」
三菱スペースジェット、開発凍結 泉澤社長「一旦立ち止まる」、納期見えず [4](20年10月30日)

E2シリーズ
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CAにやさしい手荷物収納棚やシート 特集・エンブラエルE195-E2の機内 [6](20年2月25日)

特集・エンブラエルが考える将来の航空市場
(1)「次世代ターボプロップ機は27年ごろ」 [7]
(2)日本は20年間で120機のリージョナル機需要 [8]

E190-E2機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル [9]
E190-E2 Media flight at Funborough Air Show 2018 [10]

E190-E2搭乗記
エンブラエル、E190-E2初のメディアフライト MRJ最大のライバル、ファンボロー開幕前に [11](18年7月16日)