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伊丹空港W1から離陸の遊覧飛行 写真特集・ジェイエアITAMI日帰り体験ツアー

 日本航空(JAL/JL、9201)傘下のジェイエア(JAR/XM)と関西3空港を運営する関西エアポート(KAP)は、伊丹空港周辺10市の住民を対象にチャーターフライトを含めた「ITAMI 日帰り体験ツアー」を11月20日に開催した。普段は立ち入れない伊丹空港の滑走路横にある消防所の見学や、伊丹発着の遊覧飛行を楽しんだ。

伊丹空港のW1からB滑走路に進入するジェイエアのE190による遊覧飛行JL4921便=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 伊丹を拠点に国内28空港へ乗り入れるジェイエアはJALグループの地方路線を担っており、11月で就航25周年を迎えた。1991年4月にジャルフライトアカデミー(長崎県大村市)の事業本部として発足後、1996(平成8)年8月8日という「8並びの日」に広島西飛行場(旧広島空港)を本社として会社が設立され、同年11月1日に運航を開始した。2001年1月には初の客室乗務員が入社し、2005年2月に県営名古屋空港への本社移転を経て、2011年3月から伊丹に本社を置いている。

 チャーターフライトは2回実施され、便名は午前がJL4921便、午後がJL4923便。エンブラエル190(E190)型機で同社ゆかりの広島、名古屋上空を伊丹発着で約2時間の遊覧飛行となった。

伊丹発着の遊覧飛行を終えたジェイエアの武田機長らJL4921便のクルー=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹発着で遊覧飛行するジェイエアのE190から見た県営名古屋空港=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JL4921便のパイロットは、操縦担当の武田政慶機長(PIC)と小藤宗敏機長、フライトを解説するアナウンス担当として田中貴昭機長の3人がコックピットに搭乗。機内では現行制服を着用した客室乗務員の下村友果莉さんと簗瀬佳代さんに加え、歴代制服を着用した相原未乃さんと金澤ゆかりさんも乗務し、ドリンクなどの機内サービスをした。

 2001年1月から2005年7月まで着用した初代を相原さん、2013年6月から2020年3月までの先代となる3代目制服を金澤さんが着用。3代目はJALでは10代目、現行4代目は11代目にあたる。

 JL4921便(E190、登録記号JA254J)は伊丹を午前11時17分に出発すると、通常は使用していない千里川土手近くの「W1(ウイスキー・ワン)」まで走行し、B滑走路(RWY32L)から離陸した。W1は国内線定期便の運航では使用していないため、参加者には貴重な体験となった。通常の離陸で使用している「W2」通過後、田中機長は「W1に向かっていますが、通常は飛行機が通らないので地面がゴツゴツしています。W1は伊丹から国際線が出発していた時代に燃料を満載した長距離便の離陸時に使われていました。現在はほとんど使われておらず、私も15年ほどで1回くらいです」と解説していた。

 伊丹を出発後は、兵庫県神戸市のポートアイランドや広島県、鳥取県、京都府、滋賀県の琵琶湖、愛知県の県営名古屋空港、中部空港(セントレア)、奈良県など13府県を巡り、伊丹には午後1時34分に戻った。田中機長は、「約1100キロのフライトで、東京-大阪間の往復とほぼ同じ距離です」と解説していた。

伊丹空港の消防所を見学するツアー参加者=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 フライト前には、参加者は2台の観光バスに分乗し、滑走路横の場周道路の周遊や消防所を見学。消防所では放水体験などが行われた。

 ジェイエアが運航中の機材はエンブラエル170(E170)型機(1クラス76席)が18機、E190(2クラス95席)が14機の計32機。伊丹のほか、羽田や札幌(新千歳)、福岡、鹿児島から路線を展開しており、北は北海道の女満別、南は鹿児島県奄美群島の徳之島に乗り入れている。

伊丹空港の制限エリアを走行するバスから見たJALの737-800=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港に着陸するJALの767-300ER=21年11月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire