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関空、A滑走路でランウェイウォーク初開催 倍率23倍

 関西3空港を運営する関西エアポート(KAP)は11月21日、関西空港で普段は立ち入ることができない滑走路を歩く「KIX Runway Waik(KIXランウェイウォーク)」を開催し、周辺地域や東京などから小中学生と保護者40組120人が参加した。関空には2本の滑走路があり、1994年の開港以来使用している長さ3500メートルのA滑走路(RWY06R/24L)での実施は初めて。

関西空港のA滑走路で初めて開かれたランウェイウォークを楽しむ親子連れ=21年11月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 関空ではこれまで、長さ4000メートルのB滑走路(RWY06L/24R)がオープンする前の2007年にランウェイウォークを実施しているが、A滑走路では初開催となり、関空としては14年ぶり。40組の定員に対して912組の応募があり、抽選倍率は23倍にのぼった。1組最大5人まで申し込めるようにし、21日は2回に分けて開催した。参加した子供たちは滑走路でかけっこをしたり、寝転んで記念写真を撮ったりして楽しんでいた。

 A滑走路は、地盤沈下に対処するためのかさ上げ工事が9月から進められており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運航便数が減っていることから、昼間に作業することで工期を短縮している。工事日は午後2時から翌朝午前6時までA滑走路を閉鎖しており、21日のランウェイウォークもこれに合わせて開催。1回目が午後2時30分から午後3時45分まで、2回目は午後3時10分から午後4時45分まで開かれた。

関西空港のA滑走路で初めて開かれたランウェイウォークを楽しむ親子連れ=21年11月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西空港のA滑走路で初めて開かれたランウェイウォークを楽しむ親子連れ=21年11月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 伊丹など他空港でもランウェイウォークを実施しているが、始発便の運航に支障がないように早朝の開催となるケースが多い。今回のように、A滑走路と接する第1ターミナルや誘導路は運用しながら、昼間にランウェイウォークを開催するのは珍しく、通常は着陸のみの運用となるB滑走路を離陸便も使用していた。

 ランウェイウォークでは、関空に配備されている大型化学消防車による放水も披露。オーストリアのローゼンバウワー製で、緊急車両として一般道を走行することがないため、夜間の視認性に優れる黄色に塗装されている。一方、伊丹では周辺の消火活動に応援出場する可能性があるため、赤色の消防車を配備している。

 また、関空に乗り入れている航空会社のスタッフにもKAPが参加を呼びかけた。KAPによると、航空会社のスタッフも普段立ち入れるのはスポット(駐機場)周辺までで、滑走路を歩く機会はないので声を掛けたという。KAPの担当者は「国内線を中心に明るい兆しが見えてきており、空港に親しみを持って欲しい」と開催した狙いを話し、今後の空の旅の復調につなげたいという。

*写真は16枚。

関西空港のA滑走路で初めて開かれたランウェイウォーク=21年11月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire