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ANA、大阪で空飛ぶクルマ想定しヘリで実証実験 関空から市内12分

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は11月11日、オリックス(8591)とヒラタ学園(大阪・堺市)とともに「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸)機の実現に向け、ヘリコプターを使った実証実験を大阪市内にあるビル屋上のヘリポートで報道関係者に公開した。大阪府に採択された3者の事業に基づく実験で、2025年に開かれる大阪・関西万博での実用化を視野に検証を進める。11日は空飛ぶクルマを想定したヘリが関西空港を出発すると、12分ほどで到着した。

空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験で大阪市内のオリックス本町ビルのヘリポートに着陸したヒラタ学園のヘリコプターから降りるオリックスの実験参加者=21年11月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
関空から12分
都市部の離着陸場「極めて少ない」

関空から12分

 今回の実験は10日と11日の2日間行われ、大阪市西区にあるオリックス本町ビル(地下3階、地上29階)屋上のヘリポートに、ヒラタ学園が運航する空飛ぶクルマを想定したヘリコプターを離着陸させ、屋上やビル内部、地上、近隣ホテルなどで騒音を測定した。ヘリはヒラタ学園が普段はドクターヘリとして運用している小型双発のエアバス・ヘリコプターズ製EC135型機(登録記号JA840H)を使用した。

空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験で大阪市内のオリックス本町ビル屋上のヘリポートに進入するヒラタ学園のヘリコプターEC135=21年11月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAホールディングスとオリックス、ヒラタ学園による実証実験の飛行ルート概要図(3者の発表資料から)

 今後はヘリの音と、空飛ぶクルマのメーカーが提供する音の比較検証などを行い、今年度内に大阪府へ報告書を提出する。都市部で空飛ぶクルマを運航する場合、離着陸する場の確保が課題となっており、騒音や安全性をクリアした上でビル屋上のヘリポートを利活用できるかが実用化のカギを握るためだ。

 11日のフライトによる騒音を本町ビルで測定したところ、18階屋内は通常時が44デシベル、ヘリが飛来した際は56デシベル、地上では通常