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米空軍、B-52新エンジンにF130選定 ロールス・ロイスが受注

 米空軍は、戦略爆撃機B-52H「ストラトフォートレス」のエンジン換装をロールス・ロイス・ノース・アメリカに発注した。契約額は26億432万9361ドル(約2895億円)で、最初に改修する2機は2025年末までに引き渡され、試験を開始する見通し。新エンジンへの換装により、米空軍はB-52を2050年代まで運用する計画を進める。

F130のイメージイラスト(ロールス・ロイスのサイトから)

 新エンジンはF130で、英ロールス・ロイス(RR)の民間機用エンジンBR700ファミリーのうち、ビジネスジェットのガルフストリームG650に搭載されているBR725の軍用機向け。RRによると、これまでのエンジン飛行時間は2700万時間以上で、信頼性が実証されており、ライフサイクルコストも優れているとしている。F130の試験や製造は、米インディアナ州インディアナポリスの工場が担う。

 F130へ換装することで燃費が大幅に改善して航続距離が伸び、空中給油の必要性が減る。また、整備コストも抑えられるとしている。

F130のイメージイラスト(ロールス・ロイスのサイトから)

B-52(ロールス・ロイスのサイトから)

 B-52Hは現在、ターボファンエンジンの米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製TF33-PW-103を8基搭載。1960年代から運用しているため、空軍によると老朽化により2030年以降はメーカーのサポートが受けられない可能性があるという。

 最初に改修する2機のB-52は2025年末までに納入される予定で、地上試験と飛行試験を実施する。新エンジンを搭載した最初の運用機は2028年末までに引き渡され、計画では2035年までに対象機を全機改修する。

 今回の契約には、エンジン608基と予備エンジン、関連サポート機器、エンジニアリングデータ、維持管理費用も含まれる。

関連リンク
F130 [1](Rolls-Royce)
BR725 [2](Rolls-Royce)
Rolls-Royce [3]
U.S. Air Force [4]

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