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パイロットと整備士に必要な能力は? JAL、中部で航空教室チャーター

 日本航空(JAL/JL、9201)は7月28日、中部空港(セントレア)発着のチャーターフライトを実施した。ボーイング737-800型機の国際線仕様機を投入し、出発前の搭乗口ではパイロットと整備士の2人が講師役を務め、航空教室も開催した。機内では講師役の2人が乗客と交流。地元の高校生が考案した機内食も提供し、参加者は夏休みの日本上空を満喫した。

中部発着チャーター便JL4981便で乗客と交流するJALの山下さん(右)=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
国際線運休で余剰機材活用
パイロット・整備士に必要な能力とは
高校生考案の機内食

国際線運休で余剰機材活用

中部発着のチャーター便に投入したJALの737-800国際線仕様機=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 中部発着のチャーター便として運航したJL4981便(737-800、登録記号JA305J)は、96人(うち幼児1人)が搭乗。午後1時2分に出発し、富士山付近や小松市、琵琶湖、瀬戸内海、種子島などの西日本上空を飛行して、3時間30分後の午後4時33分に中部へ戻った。

 投入した機材は国際線仕様の737-800(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)で、通常は中部-天津線で運航予定の機材が同路線の運休により余剰となっていることから、チャーター便に投入し活用。今回のチャーターでは、ビジネスクラスは12席が満席、132席あるエコノミークラスは、83人が利用した。

 参加者は愛知県からが最も多く、岐阜や三重、滋賀など近隣からのほか、関西空港発着のチャーター便を設定していないことから、大阪や兵庫などからも参加した。また東京や神奈川などの関東からの参加者もみられた。96人のうち子供の参加者は28人。夏休みの親子連れのほか、60歳以上の夫婦など大人の参加者も目立った。

中部空港のカウンターでチャーター便へ搭乗手続きを進めるJALのスタッフ=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

パイロット・整備士に必要な能力とは

 中部発着のチャーター便・JL4981便が出発した中部空港国内線11番搭乗口付近で、航空教室を開催。JALの737-800副操縦士・山下順平さんと、整備子会社JALエンジニアリング(JALEC)所属の整備士・中澤慎太郎さんが講師役を務めた。パイロットや客室乗務員が出発前に行う「ブリーフィング」などを紹介したほか、737-800特有の「おにぎり型」エンジンや、翼端の「ウイングレット」なども解説。小学校高学年以上を対象とした内容で、大人でも楽しめるようにした。

 航空教室終了後、チャーター便に講師役の2人も搭乗。それぞれパイロットと整備士の制服のまま搭乗し、乗客との交流を楽しんだ。

 2人は乗客から事前に寄せられた質問に回答。パイロットに向いているのはどのような人かを聞かれた山下さんは、「コックピットではてきぱきとしたオペレーションが必要なので、コミュニケーション能力が大切。文系や理系は関係ない」と話した。山下さん自身は農学部出身だという。

 飛行中に感動した景色については、夜中の飛行中に見た流れ星を挙げた。「びっくりして大声を出してしまい、隣の機長にびっくりされた」エピソードを紹介した。

 整備士で大変な仕事を聞かれた中澤さんは、エンジン整備が最も気を遣うと明かした。「エンジンは細かく、複雑な部品で構成されている。部品を落とすとエンジンを交換しなければならない」とエンジン整備の苦労を説明した。

 またJALグループのほか、中部に到着した海外の航空会社の機体整備も担当することから、「英語力も重要」と話した。

中部空港の搭乗口付近で航空教室の講師を務めるJALの山下さん(右)とJALECの中澤さん(左)=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着チャーター便JL4981便で乗客と交流するJALの山下さん=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着チャーター便JL4981便で乗客にシールを配るJALECの中澤さん(左)=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着チャーター便JL4981便で乗客と交流するJALの山下さん(左)とJALECの中澤さん(右)=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

高校生考案の機内食

 提供した機内食は、セントレアで今年3月に開かれた「第5回 航空ファンミーティング」の企画「あなたの機内食実現させます!」で最優秀作品に選ばれたメニューを用意。鶏肉やサバなどを使った機内食で、中部空港島内でケータリング事業を展開する名古屋エアケータリングが製造した。

中部発着チャーター便JL4981便で提供した岩田さん考案の機内食=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 機内食は、名古屋市在住の高校2年生・岩田実紗さん(16)が考案。鶏そぼろとたまごの二食丼に鶏照り焼きを添えた主菜と、副菜として焼きサバと野菜のマヨネーズ和えを用意した。チャーター便には岩田さんも同乗し、自身で考えたメニューを機内で実食した。機内での実食は初めてで、「考案したものがきちんと再現できている」と満足そうだった。副菜の焼きサバのマヨネーズ和えは「学校で学んだものをアレンジした」ようで、将来は管理栄養士を目指したいという。

JALの中部発着チャーター便に搭乗する利用客=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着のチャーター便を見送るJALのスタッフ=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着のチャーター便を見送るJALのスタッフ=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALの中部発着チャーター便JL4981便から見た富士山=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALの中部発着チャーター便JL4981便で景色を楽しむ乗客=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着チャーター便JL4981便で乗客に機内食を提供するJALの客室乗務員=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

中部発着チャーター便JL4981便で乗客に飲み物を配るJALの客室乗務員=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALの中部発着チャーター便JL4981便から見た種子島=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

チャーター便に投入後に中部空港に帰着したJALの737-800国際線仕様機=21年7月28日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
空たび 夏休みチャーター ~お空の上de航空教室~ (中部発) [1]
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