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デルタ航空、中古のA350-900と737-900ER導入 コロナで値ごろ導入好機

 デルタ航空(DAL/DL)は現地時間7月13日、機材合理化と近代化のため中古機を2機種36機導入すると発表した。内訳は大型機のエアバスA350-900型機を7機と小型機のボーイング737-900ER型機を29機で、A350はリース導入する。2022年に受領する計画で、新型コロナ後の需要回復に向けて投資する。

中古のA350-900と737-900ERを導入するデルタ航空=21年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタ航空は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、ボーイング777型機とマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-88型機、MD-90を全機退役させた。777は777-200ERを8機と777-200LRを10機の計18機、MD-88は47機、MD-90は29機運航していたが、需要が大幅に減少したことから燃費効率が悪い3機種の退役を前倒しした。

 コロナ影響で各国の航空会社が機材を削減する中、同社は「パンデミック(世界的大流行)は、新世代の航空機を魅力的な価格で導入するユニークなビジネスチャンスをもたらした」として、A350-900と737-900ERを成長に向けた投資として導入することにした。A350は777と比べて1席当たりの燃費が21%改善しており、737-900ERは既存機を補完する目的で導入する。

 7機のA350はエアキャップからリース導入。737-900ERはキャッスルレイクが運用するファンドから27機購入し、2機は同ファンドから資金を調達する。これらの機体は2022年1-3月期(第1四半期)までに受領し、改修後に就航する。

 デルタ航空はすでに15機のA350-900を就航させており、20機を発注済み。今回の導入により、保有機材は159機になる。今年4月には、エアバスA321neoを25機追加発注している。

 米国の航空会社はこのところ、コロナ後を見据えて成長投資を進めている。ユナイテッド航空(UAL/UA)は、米Boom Technology(ブーム・テクノロジー、本社デンバー)が開発中の超音速旅客機「Overture(オーバーチュア)」を15機発注したほか、737 MAXを200機、A321neoを70機の計270機にのぼるナローボディー機(狭胴機、単通路機)を追加発注している。

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