ユーグレナ（2931）は、自社製バイオジェット燃料の初フライトを6月4日に実施した。機体は国土交通省航空局（JCAB）の飛行検査機サイテーションCJ4（登録記号JA009G）を使用し、上空で飛行検査業務も実施した。ユーグレナのバイオ燃料を使ったフライトは世界初で、同社によると政府が保有する航空機が国産バイオ燃料を使うのも初めてだという。
ユーグレナのバイオ燃料で飛行する国交省の飛行検査機CJ4（同社提供）
ユーグレナのバイオ燃料を混合したジェット燃料（同社提供）
今回のフライトは2時間30分で、羽田空港で給油後に離陸し、飛行検査業務を実施後、同機の運航拠点である中部空港（セントレア）に着陸した。既存のジェット燃料に同社製バイオ燃料を5％混合して使用。バイオ燃料は国際規格「ASTM D7566 Annex 6」に適合したもので、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ（ミドリムシ）を使用した。
ユーグレナは、2018年11月にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを竣工。今年3月にバイオジェット燃料が完成した。今回の羽田での給油作業は、三愛石油（8097）が協力した。
バイオ燃料はこれまでの植物油などに加え、さまざまな原料から製造されるようになってきたことから、IATA（国際航空運送協会）では「SAF（Sustainable Aviation Fuel：持続可能な航空燃料）」に呼称を改めている。
関連リンク
ユーグレナ [1]
ユーグレナ
・ユーグレナ、ミドリムシ由来のバイオ航空燃料完成 年内のフライト目指す [2]（21年3月15日）
・ユーグレナ出雲社長「日本はバイオ燃料後進国」 実証プラント竣工、ミドリムシで有償フライト実現へ [3]（18年11月5日）
・ユーグレナとANA、20年までに国産バイオ燃料 ミドリムシで飛行機飛ばす [4]（15年12月2日）
SAF
・JAL、古着から国産バイオ燃料 787で初運航 [5]（21年2月4日）
・ボーイング、民間機に100％持続可能燃料 2030年までに実現目指す [6]（21年1月26日）
・ANAや東芝ら6社、排ガスから代替燃料「SAF」 ビジネスモデル検討開始 [7]（20年12月3日）
・ロールス・ロイス、100％SAFで次世代エンジン試験へ [8]（20年11月24日）
・ANA、バイオ燃料で定期便運航開始 CO2を9割削減 [9]（20年11月6日）
飛行検査機
・国交省、新飛行検査機を3機受領 19日初飛行、年内にも検査投入 [10]（15年10月15日）