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ピーチ、成田就航で関東の採用強化 搭乗率は70%台目指す

 6月11日に成田空港への10月就航を発表したピーチ・アビエーション(APJ)。関西空港を拠点とする同社は首都圏への乗り入れにより、観光客など一般旅客に加え、航空各社が争奪戦を繰り広げている関東在住の運航乗務員や整備士の取り込みも図る。

首都圏での運航乗務員や整備士採用強化を語るピーチの井上CEO=6月11日 PHOTO: Haruyoshi YAMAGUCHI/Aviation Wire

増上寺で安全祈願を行ったピーチの井上CEO(中央)と客室乗務員ら=6月11日 PHOTO: Haruyoshi YAMAGUCHI/Aviation Wire

 関空-成田線の主なターゲットは、これまでAPJが狙いを定めてきた観光客と親族訪問の利用だ。「東京と関西は太い旅客流動がある」と井上慎一最高経営責任者(CEO)は語り、搭乗率は70から75%を目標としている。

 関東と関西の移動だけではなく、関空でAPJの他路線への乗り継ぐ利用者も見込む。井上CEOによると、関西-鹿児島線が就航した際、関空乗り継ぎで札幌へ向かう人や、その逆方向の需要が想定以上にあったという。

 こうした一般旅客の利用だけではなく、関空-成田線の就航を契機に、関東在住の運航乗務員と整備士の採用を増やしたい考えだ。APJは5月、社内訓練による機長昇格制度で初の機長発令を実施。運航乗務員や整備士を自前で育てるシステムをすでに構築しているが、事業拡大を図る航空各社は激しい争奪戦を繰り広げており、経験者が多く居住する首都圏への就航は、APJの採用計画にプラスへ働くとみられる。

 航空各社は2010年の日本航空(JAL、9201)の経営破綻以降、同社を退職する経験者を確保することで人員拡充を行ってきたが、採用が一巡した現在は、経験者確保が難しくなっている。

 APJで働く運航乗務員の中には関西へ単身赴任し、関東の自宅には競合のジェットスター・ジャパン(JJP)の関空-成田線で帰る人もおり、自社路線開設で敵に塩を送ることもなくなる。APJでは、関東から通勤できる制度も検討しているという。

 航空会社で乗務経験のある運航乗務員向けの会社説明会は、成田で6月16日と7月18日に、東京・新橋では6月17日に開催。福岡や大阪でも7月に実施する。また、未経験で事業用操縦士と計器飛行証明を持つ人向けの説明会も行う。

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【お知らせ】
タイトルと本文を一部修正しました。(2013年6月12日 19:04 JST)